まずは軽自動車のジムニーから。
先にも書いたが、実に20年ぶりのモデルチェンジである。
先代のジムニーは、海外向けのシエラを含めれば、最後の最後まで年間3万台をコンスタントに売ってきた「超」がつく安定銘柄だ。新型登場の噂が流れても、その売れ行きは変わることがなかったそうだ。2000年のITバブル崩壊時も、2008年のリーマンショックも、難なく乗り越えてきた。特段のプロモーションを打たなくても、テレビでCMなど流さなくても、コツコツと地味に、しかし着実に売れ続けてきた。だからスズキとしては、それほど必死になってモデルチェンジをする必要もなかったのだ。
軽自動車なのだから、ボディサイズは変えられない。エンジンも大きくできない。“自主規制”の枠があるから馬力も勝手に上げられない。さらにヘビーユーザーからは、その完成度の高さから、「モデルチェンジの必要ナシ。今のままでいい」というありがたいのか迷惑なのか解釈に困る声も多く寄せられていた(この辺りは開発者インタビューでタップリお伝えしよう)。モデルチェンジの大きな理由は、環境性能や安全性の対策が対症療法では間に合わなくなってきたからだ。
せっかくのジムニーだもの。ラフロードで走ってみたい。
ADの高橋マンちゃんと早朝に待ち合わせて、奥多摩の林道に出かけた。
マンちゃんの懐は温かいらしい
高橋マンちゃん:おはようございます。それじゃ早速出かけましょう。ここからはフェルさんが運転してください。
運転席に座り、シートベルトをかけ、シフトを1速に入れる。5段のマニュアルトランスミッションだ。まずはその俊敏な加速に驚かされた。
F:おー!加速がいいね。しかも驚くほど静か。上まで回しても変な音が入ってこない。
高:確かに静かですよね。遮音には相当気を使っているそうです。下のギア比はうんと低いけれど、真ん中あたりは街乗りも意識したセッティングになっているのでしょうね。
F:変なビビリも振動も伝わってこない。ちょっと意外なんだけど、しっとりと高級感のある乗り心地。
高:ジムニー伝統のラダーフレームで土台をガッチリと固めていますからね。フレームの剛性は、前モデルと比べると50%もアップしているそうです。
F:しかしよく調べているねー。
高:そりゃそうですよ。試乗するクルマの事は、事前に徹底的に調べます。ていうか、本気で買おうと思っているんですよ。ジムニー。
マンちゃんは最近“ある事”で大儲けして懐が温かい。ジムニーくらいならキャッシュでポンと買えるのだ。ありがとうございます。ごちそうになります。ぼく焼き肉が食べたいです。
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