F:あまり曲がらないですね。かなりソールが硬く感じます。
阪:曲がらないです。確実に硬いです。敢えて硬く作っています。今までのシューズは人が走れば指が曲がって、それに合わせてソールも曲がった。それが人の動きとしてはナチュラルな動きです。ですがバイオメカニクスの視点から考えると、もうちょっと硬くすることで走るという動作全体を効率的にできないかな、と。
F:このシューズを履くことにより、走りが矯正されるということですか。
阪:まあ、そうとも言えますかね。これの“乗り方”があるというのが正しい言い方かもしれません。基本的には走っていくうちに体がアダプトしていくと思います。
F:これを私が東京マラソンで履いて走ったら、少しでもタイムが良くなるのでしょうか?
阪:このシューズは、フルマラソンを4時間から7時間のペースで走る方を対象にしています。それくらいのタイムの方は、踵から着地する方が大多数を占めるんです。そうしたランナーをメインに置いていますので、フェルさんはどうだろう……。ちょっと実際に走っていただきますか。
マイトのY:いいですねえ、その画欲しいです。その辺をちょいっと走ってもらいましょうか。
F:このままの格好で? 着替えを持ってないよ......。
マイトのY:贅沢いいなさんな。ほら、走った走った!
F:......聞いてないよ......。

阪:走っておられるところを見ると、典型的な踵着地ではありましたね。
F:薄いソールのターサーで行くか、新素材、新設計の秘密兵器で挑むか……。
阪:当たり前ですが、シューズによってランナーの負荷は大きく変わります。例えばクッション性。クッション性が落ちたら、シューズが頑張って緩衝してくれていたのがなくなる分、人が頑張らなきゃいけなくなります。その衝撃は、大きく見て足関節、膝関節、股関節、この3つにダメージを与えます。本来ならば、ちゃんとショップで実際に走りを計測させていただいて、最適のシューズを選ぶべきなのですが。
F:うー……アウトレットでトントンやって「あ、これでいいや」と決めちゃダメなのか。

シューズ選びの悩みは尽きぬ……。
不肖フェル。この期に及んでシューズ選びに苦慮しております。
新製品の高いクッション性と矯正力は魅力的ですが、重さが気になる。
同社のレース用シューズは、この半分程度の重さです。
しかしロクに走っていない自分は足ができていない。
こうなりゃサイコロ振って決めるしかありません。
決戦はいよいよ明後日。
番外編のほうの次回は、レース結果と併せて、研究開発の現場をリポートいたします。
お楽しみに!
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3/14、4/5ウェビナー開催 「中国、技術覇権の行方」(全2回シリーズ)

米中対立が深刻化する一方で、中国は先端技術の獲得にあくなき執念を燃やしています。日経ビジネスLIVEでは中国のEVと半導体の動向を深掘りするため、2人の専門家を講師に招いたウェビナーシリーズ「中国、技術覇権の行方」(全2回)を開催します。
3月14日(火)19時からの第1回のテーマは、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」です。知財ランドスケープCEOの山内明氏が登壇し、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」をテーマに講演いただきます。
4月5日(水)19時からの第2回のテーマは、「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」です。講師は英調査会社英オムディア(インフォーマインテリジェンス)でシニアコンサルティングディレクターを務める南川明氏です。
各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。
■開催日:3月14日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」
■講師:知財ランドスケープCEO 山内明氏
■モデレーター:日経ビジネス記者 薬文江
■第2回開催日:4月5日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」
■講師:英オムディア(インフォーマインテリジェンス)、シニアコンサルティングディレクター 南川明氏
■モデレーター:日経ビジネス上海支局長 佐伯真也
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)
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