マイトのY:すみません。なんといいますか、クルマの話を伺うと「それは背骨の何番目の関節がどうのこうの」という話をエンドレスでなさる、変わった方がマツダにいらっしゃいまして。
F:マツダのクルマの乗り味を決めている人です。これは盛り上がるよ。ムッシーもガチで変態だからなぁ……。
阪:ぜひ。お会いしたいです。
F:会いましょう。あとでムッシーに連絡しておきます。しかしアシックスにはこんな人がゴロゴロいるんですか。
阪:私は……ちょっと変なほうなのかもしれません(苦笑)。
臼:ちょっとと言うか……彼はかなり変ですけどね(笑)。でもまぁ、ウチにはユニークな社員がたくさんいますよ。
阪:実際私がこの会社に入ったのも、学会に出たときにアシックスから参加されていた方の発表で「すごい研究をしているなぁ」と感心したことが大きな理由の一つです。リバプールで開かれた「フットウェア・バイオメカニクス・シンポジウム」という学会で。
F:これはまた……リバプールで、そんな学会が……。
アシックスの学会発表に惚れた
阪:基本的にはアカデミックな出席者が多い学会ですが、もちろん海外のシューズメーカーからも大勢やってきます。でも彼らはあまり自社の発表をしないんです。偵察に来るだけで。
臼:その学会はウチから誰が出ていたの?
阪:森安さんです。この方は今年の1月に研究所から異動されて、本社で戦略立案をするチームに移ったんですが、当時は研究開発を担当されていました。私が入社してスポーツ工学研究所に配属された時の最初の上司も森安さんです。私はバイオメカニクスがメインなので、どちらかというと考え方が「人間寄り」です。その学会は「靴を履いたら人の身体にこういう効果が出ました」みたいな研究発表がほとんどだったのですが、森安さんはそこで「人と靴との相互作用」みたいな話をされて。
F:人と靴との相互作用……。
阪:人がこういうふうに動作をしたら、それに反応して材料はこう変形する。すると足首がこう動くから、材料はさらにこうなる。決して一方的な入力ではなく、相互に作用していると。そういった組み合わせの話がすごく面白くて、そこでまたクラっとなってしまって(笑)。
F:ナイスですね。ゴージャスと言っても過言ではありませんね。
マイトのY:そんなネタは今の若い読者には響きませんよ。しかし、これ、ますますマツダのクルマの話と相似形だな。
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