阪:私はサッカーです。ブラジルのロベルト・カルロスという選手をご存じでしょうか。すごいフリーキックをする選手で、左足で蹴ったボールが逆方向(いったん右に行った後、左に)にククッと曲がる伝説のフリーキックがあるのですが、それを見た瞬間にもうクラっと来てしまって……。それがフランスワールドカップの直前で、いろいろな会社からいろいろなサッカースパイクが発売されて、業界としては一つの転換期だったんですね。
F:スパイクの。
阪:そうです。スパイクの転換期。例えばアッパー部分にラバー素材を張り付けてボールとの摩擦を増やしてみたり、スパイクの形状が変わってきたり。あの偉大なロベルトのものすごいフリーキックには、蹴り方だけではなく、もしかしたら何か道具にもエライ秘密があるのではないか、という勝手な考えに至りまして……私は地元が埼玉なんですが、家から通える工学系の大学はどこだろう、と考えて。
F:それで早稲田に。
阪:はい。高校から。大学はそのままスポーツ科学部に入って、スポーツ科学研究の修士、博士まで取って。
F:博士号? 阪口さんはハカセなんですか?
阪:ええまぁ一応(笑)。それから早稲田で1年ほど助手をやって、その後カナダのカルガリー大学でいわゆるポスドクをやって。カルガリー大学というのは、実はシューズ研究のメッカと呼ばれているんですよ。
マイトのY:知らなかった。シューズの研究にメッカがあったとは……。
これは●ツダの変態に紹介しないとね
F:マニア過ぎる。ねえYさん。私の変態という見立てに間違いはないでしょう。
マイトのY:うーむ……。この場合の変態は誉め言葉ですよね。しかし取材先を変態呼ばわりするのは私としては立場上……。
阪:そこで基本的な人間の身体の構造、いわゆる解剖学ですね。そしてもちろん骨や筋肉も含めた生理学的な部分と力学的な部分。あと工学的な部分。様々な方面からのアプローチで人間の身体の動きを分析するんです。
F:こうやったら効率的に鍛えられるよとか、そういうことも勉強されたのですか。
阪:それもあります。私の大学院のときの指導教員がその分野の専門だったので、そういうところも学びつつ、どうやったら人間は効率的に動けるのか、そんなことばかりを研究してきました。
マイトのY:……。阪口さんのお話で誰かを思い出しませんか。これは、マツダの虫谷さんをご紹介しなければいけませんね(関連記事はこの辺から→「人の潜在能力が…」マツダは何を始める気?)。
F:うん。俺もそう思っていた。ムッシーと会ってもらったら、きっとメチャ面白い化学反応が起きるよ。彼もサッカー選手だし。
阪:ムシタニさんとは、どなたなんでしょうか。
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