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 「EVを作っても自動車会社はそれほど儲からない」
 大明神が厳かに語られた爆弾御託宣。

 まずはその部分から。

藤原清志・マツダ副社長(以下藤): EVかディーゼルか。有り体に言えば、自動車会社として、どっちが本当に儲かるのか。現状、EVのビジネスって相当に難しいんです。まったく儲からないことも多いんじゃないかな。

F:えぇ!

:すくなくとも、我々がEVを作っても儲ける自信はありませんね。EVって自動車メーカーは儲からないんですよ。実は。

F:えぇぇぇぇぇ!

 先週はここまでお伝えした。以下、その続きを。

:そんなに驚くことじゃないですよ(笑)。もちろん、我々も一生懸命研究開発は進めております。だけど現状だけで言えば、EVじゃ自動車メーカーはまったく儲からない。

F:儲かるのはバッテリー屋さんや電装屋さん、ということですか。

:どうだろう。儲かるかどうか分かりませんね。何しろ大変な投資をしなくてはいけないので。いま投資することは恐怖ですよ。怖いと思いますよ。だってまだどんな形の電池になるか決まってもいないのに。

F:そうでした。固体か半固体か。ニッケル水素かリチウムイオンか。はたまた噂のスーパーキャパシタか。

どこの会社も投資に慎重にならざるを得ない

:そう。いま投資して、5年後に何か新しいバッテリーができちゃったら。そうしたらもう、いまやっていることが全部パーでしょう。それを誰かが補償してくれるのかと。

F:誰も補償などしてくれません。「ゴメン。それ要らないわ」と言われたらおしまいです。

:ですからどこの会社も投資しにくいんですよ。みんなすごく慎重になっている。「お金を出してくれ」とも言われていますし。

F:お金を出してくれ。誰が誰に言うのですか。

:バッテリーのメーカーさんが自動車メーカーに。イザというときは補償してくれとか、工場に出資してくれとか言ってきますね。バッテリーを作っている工場を見に行ったら分かると思いますけど。やっぱりすごい設備なんで。

F:そこは私の本業の領分なのでよく分かります。最新のバッテリー工場は、まるで半導体工場のようなクリーン環境ですものね。ともかく埃を徹底的に排除しています。パーティクルが混入すると簡単に爆発してしまうから。

:そうです。バッテリーは作るのも大変だし、積むのも大変です。積むときは衝撃から守るように養生しないといけないので。