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:だからこそ先進安全技術です。何かあったときに確実に止めるとか、ヘッドランプも対向車が来たら自動でハイビームからローに落とすとか、そういうものがどんどん広がっていく。加齢によって人間の能力が落ちた分を、技術で助けていくと。最後にやらなくちゃいけないのは……これは高齢者でなくても必要なんですが……。運転途中で突然の疾病とかのときなどには、ね。

F:路線バスで運転手のSASが原因とみられる、深刻な事故がありましたね。脳梗塞やハートアタック等で万一運転中にドライバーがウッとなってしまったら……考えただけでもゾッとします。乗っている人だけでなく、対向車や前後のクルマを巻き込む可能性もある。

「その時」ドライバーがどう動くかは疾病によって異なる

:クルマ側のコンピューターがオーバーライドして停車させる。あるいは自動で安全な場所まで連れて行ってくれる。これが最後の手段かなと考えています。クルマの方でそこまでできれば、高齢者も免許を返上する必要などないはずです。そうすれば100歳までクルマを運転しながら元気に張り合いを持って生きられる。これが我々のやりたいこと、そしてやるべきことです。それでマツダは「心と体を元気にするクルマづくり」と表現しているということなんです。

F:それこそ死ぬまで運転してもらいたい、という思いがあるわけですか。

:そうした方が社会サービスの費用だって落とせるわけですよね。いま国の医療費は大変なことになっています。高齢者へのサービス費用もそう。

F:医療費と社会保障費によって国家の財政が破綻する、という声も聞こえてきます。

:そうそう。それを防ぐためにも、クルマができることはあるのではないかと思っています。

F:それを研究するために、推進するために、どこかの研究機関と提携して一緒に研究したり実験したり、ということはしているのですか?

:もちろんやっています。

F:ドクターともやっている。

:無論です。突然疾病が起きたときに、人間はどのような行動を起こすか、とか。脳なのか心臓なのか。それによってこうなるのか、ああなるのか、ドクターと組むと、いろいろなデータが取れるので。万一の際の人間の動きって、疾病によって変わってくるんです。

F:へぇ!

 いよいよ佳境へ入ってまいりました。藤原大明神の御宣託は次号へ続きます。
 あぁありがたや藤原大明神。
 読者諸兄。ご起立の上、モニターに向かって二礼二拍手一礼をお願いします。
 それではみなさまごきげんよう。