F:確かに。免許を返上すると一気に老化が進むと聞いたことがあります。
藤:そう、ボ……
広報小島:藤原さん! 発言には気をつけてください! 相手はフェルさんです!
藤:ゲホゲホ……ああ咳が出る……一気に加齢が加速するんです。これは本当にそうなんです。経験上からも言える。実際に私の母親がそうでしたし、いろいろな人に聞くと、みんな自分の父親はそうだったとか、自分のお袋がそうなったとか、そんな話はゴマンとある。運転しなくなった途端に、頭を使わなくなるんですよ、やっぱり。
F:頭を使わなくなる上に、外に出なくなりますからね。
藤:そうそうそうそう。
ウェルエージングのために運転は有効
F:外に出なくなると服装も無頓着になる。一日中部屋着で過ごしたりして。女性だったらお化粧もしなくなる。
藤:そう。結果的にそうなるんですよ。だから取りあえずはクルマを運転してもらって、どこかまで行く習慣を残しておけば、加齢の速度は緩くできるんですよ。歳をとったって、ずっと元気でいたいじゃないですか。我々はそれをウェルエージングと言っています。
F:ウェルエージング、なるほど。
藤:そういうことも含めて、クルマって価値がある乗り物だと思いますね。
F:クルマを運転すること自体が、老化や認知症の進行を減速させ得るとお考えですか?
藤:なると思っています。
F:たり得る。
藤:たり得るね。
F:特にマニュアル車だとその効果は顕著なのかもしれませんね。
藤:そう。マニュアルだと絶対そうなるし、オートマチックでもやっぱりいろいろなものを見て、聞いて、感じて判断しなくちゃいけないので、必ず効果があると思っています。
(編注:「カーグラフィック」誌2017年9月号に、MTが人間に与える影響を脳トレの川島隆太東北大教授が語った記事がありました→WebCGのサイト)。
F:ですが一方で、歳をとるとやはり判断は遅くなるし、反射神経は鈍くなる。視力も落ちてきます。とても残念なことですが、やはり50歳よりも60歳、60歳よりも70歳の方が危険度は間違いなく増していきます。その辺はどうお考えですか。もっと言うと、マツダのクルマはそれに合わせてどう変わっていくのですか。
Powered by リゾーム?