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 前の2本の記事では、アメリカ市場に関するお話を伺った(01はこちら、02はこちら)。

 やはりアメリカは懐が深い。リーマンショックのような、それこそ国の根幹を揺るがすような経済的ダメージを受けても、わずか3年程度で復調してしまう。そして復調までの足腰ガタガタの状態においても、コンスタントにクルマは売れ続ける。

 では、そのありがたいアメリカ市場で、マツダのクルマはどのように受け止められているのだろう。今回はそのあたりからお話を伺おう。

藤原清志・マツダ副社長

F:アメリカ人はどのようにマツダ車を理解しているのでしょう。マツダ車に対して、どのようなイメージを抱いているのでしょう。

藤原清志・マツダ副社長(以下藤):昔とはだいぶ変わってきたイメージを持っておられると思います。今、日本のお客様が感じておられるような、「走る歓び」。そういうものを大事にしている会社だと思われているのではないかと。

F:「走り」、ですか? キーワードは走り。

「少し変わった会社だな」と

:キーワードは「走り」ですね。それとデザイン。「何か少し変わった会社だな」、というふうに理解されていると思います。

F:最近のマツダ車は本当にカッコよくなってきています。デザインの統一性もある。でも我々日本人が「カッコいいな」と思うデザインを、アメリカ人も同じようにいいなと思うものなのでしょうか。もっとドカンと押し出しの強い、例えばフォードのFシリーズのような、もうウムを言わせないような圧倒的な存在感のクルマを「いい」と思うのではないでしょうか。

:それはそれで、アメリカのブランドはアメリカの自動車を、「これが正しい」と思って売っているわけで。フォードはフォードでF-150みたいなクルマがすごい、カッコいいと思っているし、GMはGMで、シボレーブランドにはシルバラードみたいなクルマがあるし、キャデラックの人はキャデラックがいいと思っている。アメリカ人の多くは、確かにそっちの方向なのだと思います。だけど一方で、ヨーロピアンを見ている人も多くいるわけじゃないですか。アメリカには。

F:確かに。BMWとかメルセデスが好きな人もたくさんいますね。ポルシェの主戦場もアメリカなわけだし。

:そうそう。BMWにも根強いファンがいる。そうした中で、マツダはジャパニーズ路線というか、独特なエキゾチックなスタイリングを持っているよね……というイメージが確立しつつあるのではないかと思います。

F:あのマツダ独自の赤。ソウルレッドクリスタルメタリック、でしたっけ? あの色はアメリカでも売っているのですか。