これまで日本企業の多くが、日本より先を行く米国のビジネスモデルを輸入する「タイムマシン経営」に活路を見いだしてきた。だが、それで経営の本質を磨き、本当に強い企業になれるのだろうか。むしろ、大切なのは技術革新への対応など過去の経営判断を振り返り、今の経営に生かす「逆・タイムマシン経営」だ。

 そんな問題意識から、日本を代表する競争戦略研究の第一人者、一橋ビジネススクールの楠木建教授と、みさき投資などに勤めながら様々な企業の社史を研究してきた杉浦泰氏が手を組んだ。経営判断を惑わす様々な罠(わな=トラップ)はどこに潜んでいるのか。様々な企業の経営判断を当時のメディアに流布していた言説などとともに分析することで、世間の風潮に流されない本物の価値判断力を養う教科書「逆・タイムマシン経営論」を提供する。

 第1章は、トラップの典型例である、繰り返し登場する「バズワード(定義があいまいな専門用語)」に着目する。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といったバズワードに過剰な期待をしてしまう「飛び道具トラップ」――。さあ、未来ではなく過去に向かうタイムマシンに乗って、飛び道具トラップにかからないための学びの旅に出よう。(写真:PIXTA)

テーマ: リーダーの一般教養