欲深く、悩み深い「ざんねんな」ニンゲンが動物から学ぶべきこととは? ベストセラー『ざんねんないきもの事典』のほか、多くの図鑑監修を手掛ける動物学者の今泉忠明氏に聞きました。その1回目。

(※この動画は日経ビジネスのコラム「有訓無訓(人は欲深い残念な生き物。だからこそ生を充実させられる)」取材時にスマートフォンで撮影しました。スチルカメラのストロボが光ることがあります)

(聞き手:常陸佐矢佳)

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第2回ニンゲンは「負けてしまった」動物です

最期はニンゲンも皆、このシカのように骨になります。

今泉忠明氏(以下、今泉氏):きょうはそういう話ですか。

はい。ニンゲンは「あれをやりたい」「これをやりたい」と欲を広げて、おなかいっぱいになって時には破裂するまで食べてしまう。このような果てしない「欲」は、動物にはないのではないでしょうか。

今泉氏:そうですね。動物はおなかがいっぱいになればそれでいいし、連れ合いを探してウロウロしても繁殖期が過ぎればもういい。そこに「もっと」という欲深さはないですね。ニンゲンは欲が深いんです。

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蓄えるにしても動物は自分の分だけ。

今泉氏:そうですね。欲がないから、無駄を出すことがありません。ニンゲンは欲があるから無駄が多いんですね。ただ、たとえばリスが自分の食べる量以上にクルミとかドングリを集めることがありますよね。でも忘れた木の実は芽吹いて森をつくるんです。ニンゲンが忘れたものは大体腐ってゴミになる。そこが大きな違いですね。

循環の中で生きているということですね。

今泉氏:森には必ず消費者がいて、最後はフンまで食べるヤツもいる。腐ってもバクテリアの食べ物になったりして、廃棄物がたまるということが自然界にはないんですよね。それを模倣しようというのが最近のバイオミミクリー技術です。