戦略論の権威として世界的に知られる経営学者、カナダ・マギル大学経営大学院のヘンリー・ミンツバーグ教授に聞く全12回シリーズ。第1回は、資本主義について語る。現在の米国はバランスを失っている、と分析するミンツバーグ教授は、世界には、「3本の脚」が必要で、そのバランスが安定のかぎだと指摘する。
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米国はなぜバランスが悪くなったのでしょうか。
ヘンリー・ミンツバーグ(カナダ・マギル大学教授):現在の米国で失われたのが、まさにバランスです。1989年に共産党政権が崩壊したのは、資本主義が勝利したからではない。資本主義が勝ったのではなく、バランスが勝ったのです。
1989年以前は、米国もバランスのとれた国でした。東欧はとりわけ政府部門側に偏っていました。今や米国は民間部門に偏り過ぎていて、問題の本質は(当時の東欧と)同じです。
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