戦略論の権威として世界的に知られる経営学者、カナダ・マギル大学経営大学院のヘンリー・ミンツバーグ教授に聞く全12回シリーズ。「我々には所有が必要」と力説する。第8回は、会社は誰のものなのかについて考える。
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会社を所有するのは誰でしょうか。
ヘンリー・ミンツバーグ(カナダ・マギル大学教授):所有は、例えば「このシャツは私のだ。あなたのではない」と言えるシステムです。あなたがシャツを持っていないなら、私が貸します。お金がなくてシャツが買えないというなら、差し上げます。
どうするかは所有している私の選択です。これはあなたのシャツではなくて私のシャツです。これこそが共産主義が失敗した理由です。個人的な所有という感覚がなかった。
我々には所有が必要
我々には、所有が必要なのです。ただし、社会に溶け込む形で。製薬会社が新薬を開発したら、すべて自分たちでやったと言ったらどうでしょう。
そうではありませんね。研究は、政府の資金によって賄われたのです。製薬のために、好きなように価格を決めることができるという考え方は、殺人に等しいですね。
- ●ミンツバーグ教授が製薬会社を批判する理由は?
- ●ブラジルの例が示唆することは?
- ●グレタ・トゥーンベリさんをどう見ているか。
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