
- ●江戸時代の天皇に残った権限は元号の制定だけ。後水尾天皇が幕府と対抗する力を付けた、という考えには同意しない。
- ●徳川幕府打倒の中心に天皇が据えられた理由を考えるキーワードは「庶民」。
- ●幕末には国体論が誕生。天皇は新たな力を獲得し、生まれ変わった。太平洋戦争を経て、国民統合の象徴にさらに生まれ変わった。
今回のテーマは天皇と政治です。キーパーソンは後水尾天皇と明治天皇。
徳川家康が天下人になり、江戸幕府が成立。この時、天皇は何もできませんでした。
江戸時代の天皇に残った権限は元号と暦の制定だけ。やがて江戸幕府が貞享暦を定めるようになると、天皇は暦を定める権限も失いました。元号を定める権限だけが天皇に残ったのです。
天皇は禁中並びに公家諸法度によってがんじがらめにされていました。「後水尾天皇が幕府と対抗する力を付けた」という考え方もありますが、同意しません。
ならば、なぜ明治維新が起こったのか。徳川幕府打倒の中心に天皇がいたのはなぜか。この疑問を考える時のキーワードとなるのが「庶民」です。
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東京大学史料編纂所教授

1960年生まれ。東京大学・同大学院で日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史。史料編纂所で古代資料部門を担当する。著書に『考える日本史』『承久の乱 日本史のターニングポイント』など。
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