
- ●日本史では「能力」より「世襲」が重きをなした
- ●その時重要なのは「血縁」。ただし、さらに「家」を重視した
- ●世襲を規範とする武士が、同じく世襲を規範とする天皇家を滅ぼすことはなかった
第2回のテーマは世襲の原理です。世襲を重視したのは世界に共通する流れ。その中でも日本は世襲を非常に重視してきました。
中国は才能を重視し、科挙によって官僚を選んで国家を運営させました。一方、日本に科挙のような試験はなかった。代わりに、世襲で続く天皇と貴族が長きにわたって世の中を動かしたのです。
世襲において、「地位」よりも「人」を重視しました。天皇になっても、父や兄である上皇に率先して挨拶したことは前回お話ししましたね。後継者を選ぶ際に重視したのは「血縁」です。「地位」が一時的なものであるのに比べて、「血縁」は長きにわたって続きます。
そして、さらに重視したのは「家」でした。
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東京大学史料編纂所教授

1960年生まれ。東京大学・同大学院で日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史。史料編纂所で古代資料部門を担当する。著書に『考える日本史』『承久の乱 日本史のターニングポイント』など。
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