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(写真:長田洋平/アフロ)
今回のチェックポイント
  • ●天皇を中心に日本史を考える
  • ●外国では、権威・権力は王という「地位」に基づくが、日本では…
  • ●もし天皇と上皇の行列が道でぶつかったら?

 今日から「本郷和人と学ぶ『天皇の日本史』」を始めます。天皇にまつわる日本史を一緒にひも解いていきます。

 今年5月、日本で約200年ぶりに「上皇」が誕生しました。これを機に天皇にまつわる歴史を調べてみたところ、驚くべき事実に出くわしました。

 諸外国では、王様が退位すると、その王様は権威も権力も失います。退位した王様を表す名称もありません。単なる「a retired king」になるのです。権威と権力が「王」という地位にひも付いているからですね。

 ところが、日本史では異なります。天皇が譲位して上皇になっても、すべての権威・権力を失うわけではありませんでした。それは、日本史では「地位」よりも優先される、別のものがあったからです。現代になって付けられた英語名も「a retired emperor」ではありません。

>>>>続きは上の動画でご覧ください。

本郷和人(ほんごう・かずと)
東京大学史料編纂所教授

1960年生まれ。東京大学・同大学院で日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史。史料編纂所で古代資料部門を担当する。著書に『考える日本史』『承久の乱 日本史のターニングポイント』など。