5階にある「空の杜」は眺望が良く、開放感がある

 新しい競技場ではどうなったかも見ておこう。

 新しい国立競技場はメインスタンドが高くなり、客席を覆う屋根が付けられたため、周辺の眺望は望めないが、その代わりに5階の空の杜に上ると遠くまで見渡せる。失われたものもあるが、何らかの形でそれを補う新しい仕掛けが用意されている。

 陸上競技用のスペースは大きくなり、残念ながら観客席からフィールドが遠くなった。3層からなる観客席の一番低いところにある第1層は傾斜が20度と緩いが、第3層は34度と急な角度となっているので、フィールド全体を比較的近い距離から見渡せる。ただ、陸上競技用のトラックがあるため、サッカーやラグビーの試合では、球技専用の競技場に比べると選手は小さくしか見えないだろう。

新しい国立競技場も5階の空の杜へ上れば、東京体育館や新宿の高層ビル群を一望できる
新しい国立競技場も5階の空の杜へ上れば、東京体育館や新宿の高層ビル群を一望できる
[画像のクリックで拡大表示]
新しい国立競技場の第3層の観客席から見た風景。屋根付きのため、競技場周辺の景色は見えないが、開口部が大きいため、それなりの開放感はある
新しい国立競技場の第3層の観客席から見た風景。屋根付きのため、競技場周辺の景色は見えないが、開口部が大きいため、それなりの開放感はある
[画像のクリックで拡大表示]
国立競技場の全天球画像
観客席の第3層からの様子。昔の国立競技場と比べると屋根の存在が大きい(画面左の「…」をクリックすると下部のサムネイルが消えます)
空の杜の全天球画像
5階の「空の杜」からの眺望は非常に良い(画面左の「…」をクリックすると下部のサムネイルが消えます)

次ページ 数奇な運命をたどった霞ヶ丘アパート