大型開発プロジェクトで変貌しつつある東京。その注目エリアをピックアップし、地域の歴史や地形と絡ませながら紹介していく連載です。現地に残る史跡、旧跡のルポも交えて構成。歴史好きの人のための歴史散歩企画としても楽しめます。変貌する「ネオ東京」の“来し方行く末”を鳥瞰(ちょうかん)しつつ、歴史的、地勢的特性を浮き彫りにします。
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渋谷の地形と鎌倉時代からの歴史を楽しむ
前回はかつての渋谷川周辺の変遷をしのぶルートを散歩した。江戸時代から残る稲荷橋や旧東急東横線、渋谷川が今どう姿を変えてきたかを見てきた。今回は、鎌倉時代からの名残を楽しめる散歩ルートを紹介するお話。
前回分も含めた散歩ルートを再度ご紹介。今回は並木橋からスタートして鎌倉時代や江戸時代の渋谷を想起させるルートを歩いてみる。
渋谷駅周辺の主な再開発プロジェクトの地図も参考にしてください。
鎌倉街道を通って金王八幡宮へ
並木橋は江戸時代の地図には「金王下橋」と書かれている。坂の上に「金王八幡宮」があったからだ。
この並木橋を通る道は中世の鎌倉街道である。
鎌倉時代、鎌倉には幕府が、室町時代には鎌倉府(機能していたのは、1445年に始まった享徳の乱まで)が置かれていた。鎌倉~室町時代に使われた鎌倉へ通じる街道の総称が鎌倉街道と思っていい。
そのうちの1本が渋谷を通っていたのだ。
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