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 その後1999年に西口のスクランブル交差点向かいにQFRONTが、2000年に井の頭線渋谷駅を内包する渋谷マークシティが開業したものの、多くの人にとっての渋谷駅は1970年に完成していたといっていい。

 でも、建設から50年以上たって老朽化も目立ちはじめ、増築を重ねた斜面の温泉旅館のような迷宮っぷりは探索するには楽しいものの、日常的に利用する人には不便極まりなく、谷地形からくる浸水被害も問題となっていた。

 そろそろ建て替えの時期だが、個別に建て替えていては今までと同じ。そこで駅前地区の「特定都市再生緊急整備地域」として一気に手を付けることにしたのが渋谷駅周辺改良プロジェクトである。

 商業施設がどうなり、経済効果がどう、という話はおいておき、駅の利用者が一番気になる「最終的に渋谷駅の動線はどうなるの? 渋谷駅周辺の分断はどうなるの?」という利用者目線で見てみたい。

東急文化会館から渋谷ヒカリエへ

 渋谷駅周辺の再開発で最初に手が付けられたのが東急文化会館。何しろ開業が1956年である。築45年を優に超えている。これが取り壊され、渋谷ヒカリエが誕生したのが2012年。最初がこれだったのがよかった。何がいいって、渋谷ヒカリエの渋谷駅側がガラス張りで、駅再開発の様子がよく見えたからである。

 地上にいると工事のフェンスで視界が遮られるので全体像が見えないのだ。渋谷駅がスクラップ&ビルドされていく様子を渋谷ヒカリエから撮った写真をどうぞ。

 13年に東急東横線が明治通りの地下へ移設されて副都心線とつながり、旧東急東横線渋谷駅の解体がはじまる。

完成直後の渋谷ヒカリエ。2012年撮影(写真:荻窪圭)
2013年、渋谷ヒカリエから撮影した渋谷駅。まだ東急百貨店東横店東館が残っている(写真:荻窪圭)