大型開発プロジェクトで変貌しつつある東京。その注目エリアをピックアップし、地域の歴史や地形と絡ませながら紹介していく連載です。現地に残る史跡、旧跡のルポも交えて構成。歴史好きの人のための歴史散歩企画としてもお楽しみください。変貌する「ネオ東京」の“来し方行く末”を鳥瞰(ちょうかん)しつつ、その地の歴史的、地勢的特性を浮き彫りにします。
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品川駅の歴史と再開発
前回の「新玄関口、高輪ゲートウェイに込めたJR東日本の思いと限界」では、高輪ゲートウェイ駅へのJR東日本の思いと、高輪地区と港南地区の東西分断がどうなるかを探ってみた。
そして今回は品川の話。高輪ゲートウェイ駅は品川駅北の品川車両基地跡に建設される「グローバルゲートウェイ品川」構想の一つとして造られた駅、ということで高輪ゲートウェイ駅を語った以上は品川駅に触れないわけにはいかないのである。駅が開業して終わりではなく、品川駅も巻き込んだ再開発はこれからが本番なのだ。
高輪ゲートウェイ駅と品川駅との間の再開発が直接我々に関係した出来事としては、2019年11月16日の土曜日、山手線の大崎~東京~上野間と京浜東北線の品川~田町間を運休して行われた線路の切り替え工事が挙げられよう。
山手線と、京浜東北線の北行き(大宮方面)が使う線路が大きく変更されたのだ。
従来、山手線と京浜東北線北行きは品川から北へつながる線路群の中で、もっとも西側(第一京浜側)を通っていた。ほぼ、日本最初の鉄道が通っていたルートといっていい。
第一京浜を歩いていると、ビルの隙間から線路がすぐ近くに見えたものである。このときのルート変更でとうとうそこから線路がなくなったのだ。
そこを初めて鉄道が走った頃に遡ってみたい。
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