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 とはいえ、普通に考えれば、これは京王井の頭線からの連絡通路のバイパスに間違いない。いや、もしかすると将来、京王井の頭線の利用者にとって、これがメインの通路になるのかもしれない。渋谷駅周辺の再開発の完成イメージ図を見ると、それらしきカーブした通路が描かれている(下図の赤丸部分)。もっとも、これは再開発計画が立てられた頃の計画案を基にしたもので、いつ変わってもおかしくないのだが。

渋谷駅前広場およびデッキのネットワークのイメージ図。京王井の頭線からの連絡通路が、途中で右にある空中デッキとつながっているように見える(赤丸部分)。駅の中心部に黒い実線で描かれている立方体は、渋谷スクランブルスクエア。左から19年11月にオープンした東棟、これから建設が始まる中央棟、西棟。(提供:渋谷駅前エリアマネジメント)

 いずれにせよ、東急東横店西館、南館の取り壊しを皮切りに、渋谷駅西側の再開発が本格化する。これまで東横線の地下化、渋谷スクランブルスクエア(第Ⅰ期)東棟、銀座線の新駅舎と駅の東側の動きが目立ったが、駅の西側にもその波が押し寄せることになる。

JRの駅が変わって大団円を迎える。銀座線ホームの上にも通路?

 そして、メインイベンターたるJR渋谷駅も大々的に変わる。その第1弾が埼京線、湘南新宿ラインのホームを、山手線のホームの横に移設するプロジェクトだ。そのため既存のホームを北へ約350メートル移動させる。山手線からの乗り換えのしにくさにうんざりしている人は多いはずだ。それがようやく解消される。20年度春がゴールだ。

 すでに、新ホームは姿を見せている。現在、埼京線、湘南新宿ラインのホームから渋谷駅の中央改札に向かう通路がそれだ。そして、そのホームからエスカレーターで上がったところに、冒頭で紹介した中央東改札が待ち構えているわけだ。

埼京線、湘南新宿ラインの渋谷駅ホームから中央改札に向かう通路。この通路が新しいホームとなる。右は埼京線、湘南新宿ラインの上り線(恵比寿方面行き)の線路。左手に見えるエスカレーターや階段を上がると、1月29日に供用が始まる中央東改札がある

 そして、次の大改造がやってくる。現在2面ある山手線のホームは、2本の線路が1つのホームを挟む島式のものに変わる。そうなれば、2つのホームを前提とした今の玉川改札は無くなるしかない。各種の資料によれば、2階の高さにあるJR線のホームへは、3階(今の中央改札のある高さ)から下りるか、1階から上るかのいずれかになりそうだ。

 また南口には3階にも改札ができる予定だ。現在、渋谷の南西部に当たる桜丘口の再開発が進行中だが、そこに造られる空中デッキとつながる改札になる計画だ。さらに、埼京線、湘南新宿ラインのホームが北に移動することによって渋谷駅の新南口は無くなるが、この付近から、3階に新しく作られる南口に向けた空中デッキを造る計画がある。

JR渋谷駅改造のステップ。現在は「STEP2」の段階に入りつつある。これから埼京線、湘南新宿ラインのホームは山手線ホームと並ぶ位置へ移動する。移設時期は20年度春とされている

 さらに付け加えるなら、銀座線の新ホームの上に、「スカイデッキ」という通路を造る計画もある。渋谷ヒカリエの4階に設けられる「ヒカリエデッキ」からスカイデッキを通って、京王井の頭線渋谷駅のある渋谷マークシティ方面に抜けることになりそうだ。また、銀座線渋谷駅の東側2階にヒカリエとつながる改札も造られる予定だ。どんなステップを踏んで、駅が改造され、最終形の通路ができあがるのか。それまでにあと7年の時間が必要となる。

渋谷駅の過去をたどる次回に続く