リクルートが『コレカラ会議』にて「飲食・美容領域から見るwithコロナ時代の店舗と顧客のエンゲージメントの変化」について、調査データや事例から見て取れる兆しを発表、領域特徴や共通点など議論した。サービス業として「顧客満足度」に関するヒントがありそうだ。今後の飲食・美容領域の進化・発展に期待が高まる。

 リクルートグループでは、国内人口の減少、デジタル化、価値観・生き方の多様化、そして新型コロナウイルス感染症等々、様々な要因で目まぐるしく変化する現代社会に対応するため、2020年より『コレカラ会議』というオンラインによる情報発信の場を設けている。これは“より良い未来につなげる兆し”の発信を目的とするものだが、そこには、「新しい価値の創造」「まだ、ここにない、出会い。」などをキーワードに創業から続く求人情報サービスをはじめ、人々が自分らしい生活や人生を送るためのサービスを展開してきた同グループの想いが反映されている。

 司会を務めたリクルート 経営コンピタンス研究所の岩下直司氏は、実施の理由を下記のように語った。「世界中の人々がコロナ禍に見舞われ、当たり前の生活もままならない昨今。なんとかお店を続けたい、お客さんに喜んでもらいたい、従業員を守りたい…そんな思いで経営を続ける方々は多いと思う。今までサービスを通して、『街を元気にしたい』『集客をしたい』などお店の想いに寄り添ってきたリクルートだが、領域を横断して不可逆な変化から見える兆しを発信することも重要ではないかと考えた」

 第五回目の『コレカラ会議』では、私たちの日々の生活に密接に関わりのある日常生活・消費領域における消費者変化と兆しが発表された。

(右)ホットペッパーグルメ外食総研の稲垣昌宏氏
(左)ホットペッパービューティーアカデミーの千葉智之氏

 まず飲食領域については、コロナ禍の外出自粛により、「外食店からのテイクアウト」の利用が伸びているという事実を紹介した上で、その利用額が高額になっていることを指摘した。

 リクルートライフスタイルのホットペッパーグルメ外食総研が発表した「外食市場調査」(2020年5月度)によれば、外食店からのテイクアウト利用時(夕食時)の平均単価をみると1708円と、中食利用時の平均支出である832円(2020年4~9月度平均:外食市場調査より)より高額になっているのだ。

 さらに興味深いのが「イエナカ外食調査2020」の結果。この調査ではコロナが収まってからも、「これまで家では食べられなかった、外食ならではのメニュー」をイートインとテイクアウト、デリバリー等の使い分けをしたいと感じている人は50.8%という結果が出ているのだ。

 ホットペッパーグルメ外食総研の稲垣昌宏氏は、これらの調査結果から、「高単価なテイクアウトメニューを家で食べるというニーズは、一定程度定着して新しい市場になる」と分析。飲食領域における兆しとして、「イエナカ外食」というキーワードを挙げ、「提供形態の進化が、外・うちの使い分けを促進し、家での食事がさらにレベルUPする」と説明した。

 一方、飲食店と共に、コロナ禍の影響が大きかったヘアサロンに関する調査から「コロナ禍でも信頼している人の施術を受けたいという消費者の意向が浮き彫りになった」と説明するのは、同社のホットペッパービューティーアカデミーの千葉智之氏。

 2020年8月にホットペッパービューティーアカデミーが行った「美容センサス2020年下期」では、約8割の消費者が「コロナ前(2020年3月以前)と同じヘアサロンを継続利用している」と回答。そして、その理由を「施術者・スタッフを信頼しているから」とした回答者が約6割に上ったという。さらに、口コミ返信・DM配信の工夫やオンラインカウンセリング、EC、さらには他業態店舗とのコラボレーションなど、ヘアサロン側がお客様の信頼を獲得する手段を多様化させていることが紹介された。これを受けて、千葉氏は「お客様のサロン選びの基準は、技術メインの信頼だけでなく、コロナ禍によって技術以外の部分に対する信頼に広がっている」と話し、今後のサロンは「お客様との間に“新”しい信頼、“心”の信頼、“深”い 信頼という3つの“シン”を『密』にする“シン密”を実現する取り組みが重要なこと」を示唆した。

 『コレカラ会議』の最後には、司会の岩下氏が、稲垣・千葉両氏の報告を受け、飲食・美容領域共通の「コレカラの店舗経営のためのヒント」について言及。「どういう価値を提供したいかを見直した上で、『インドア商品・サービスの開発』『(飲食であれば外食・中食・内食といったサービスの)複合化・マルチ化を前提とした業態転換』『店外を含めたカスタマーエンゲージメントの強化』を行うことがポイントになる」と強調した。このような“変化の兆し”を世の中に発信することは、コロナ禍で苦境に立たされる店舗の大きな助けになることは言うまでもない。今後も、様々な領域でサービスを提供するリクルートだからこそ発信できる「日本の未来を“良い未来につなげる兆し”」に期待したい。

■問い合わせ先
コレカラ会議

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