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そうなってくると「電車の中でもたれかかる人」より、「電車の中で気を張り詰めている人」の末路の方が気になってきました。健康な人同様に、リラックスしやすい脳に戻るにはどうすればいいのでしょう。

川西:米国では短い間隔で点滅する光を見つめて脳を同調させることで、脳波の変化を健全な状況に導くセラピーが存在します。ただそれは、戦争経験者などの強烈なトラウマを解消するための治療法で、普通の人にはお勧めできません。やはり最もいいのは、体と脳のバランスを整えることです。今のビジネスパーソンは、頭脳労働をしている割に体が疲れていません。運動である程度自分の体を追い込み、心身ともにバランスよく疲れていれば、リラックスすべき時にリラックスできるようになります。

なるほど。

オフィスでノンレムの“大きいお友達”は話が別

川西:ただ、誤解なきよう言っておくと、電車の中でもたれかかってくる全ての人が、「脳の回復が早い有望人材」ではなく、例外もあります。例えば昼休みならまだしも、会議などで特に昼食後、居眠りしている社員がいますよね。

どこの会社にも、昼間からがっつりノンレム睡眠に入っている“大きいお友達”はいます。

川西:電車の中と違って、ああいう“寝てはいけない時”に寝てしまうというのは、やはりそれはそれで健康な状態ではないと思います。睡眠障害などで夜、しっかり眠れていない可能性が高いですから。それに、体と脳のバランスを取るには、しっかり運動し、夜、良質な睡眠を取るのが一番です。ただ今はそれがしたくてもできない人も多いですから、それを電車の中などで補うといいのでは、という話です。あと、お酒を飲んで、電車でもたれかかってくる人もダメだと思います。

そういう殿方はたくさんいますけど、あれは脳のリフレッシュにつながらない、と。

川西:全くつながりません。適量以上のお酒を飲むと、人間は覚醒中枢と睡眠中枢が麻痺します。覚醒中枢が麻痺すると、当然のことながら起きていられなくなり、電車でもたれかかるようになります。

ならばノンレムに入っているのでは? あ、そうか、睡眠中枢も麻痺してるのか。