そこまで深い睡眠状態に入っているからこそ、「隣の人に異常にもたれかかってくる人」は、ちょっとくらい肩で小突いても、すぐに再びもたれてくるんですね。
川西:本当に深い睡眠状態に入ると、小突いたぐらいでは起きませんから。
飛行機や新幹線など長時間移動ならともかく、自分は在来線で座ってもとてもそんな状態になりませんが。
意外!もたれかかってくる人は“できる人材”
川西:それは脳と体がアンバランスだからだと思います。過剰労働で脳はすごく疲れているけど運動不足で体は疲れていない。あるいは「ああでもない、こうでもない」と様々な心配事を考えイライラしていても、脳波はシータ波まで下がりません。
「アマゾンの販売が伸びない。売れない本を作った人間の末路はどんな破滅が待ち受けているのか」などと考えていてはダメ、と。
川西:重要なのは、先ほどお話しした通り、たとえ短時間でもノンレム睡眠を取れれば、疲れた脳が少なからず回復することです。つまり、電車の移動時間などで小まめにノンレム睡眠を確保できる人は、常に仕事にリフレッシュした脳で臨める可能性が高い。
ということは、電車でもたれかかる人の末路は、企業社会で落ちこぼれるどころか…。
川西:次々に成果を上げる「できる人材」になる素養がある、と言えるかもしれません。
これは意外…。精神力、体幹共に弱い「だらしない人」かと思っていました…。
川西:むしろ逆でしょう。電車でぐっすり眠れる人は、しっかり仕事もやりつつ、普段から体を動かし前向きな人生を送っている人である可能性が高いと思います。青年期から文武両道を実践し、自分に厳しく技術や知識、気力を磨いてきた人のような気がします。
そうでしたか。
川西:もっとも、本当に脳をリセットするためには、短い時間、ノンレム睡眠を取るだけでは足りません。健康な人は眠りに入ると、すぐに深いノンレム睡眠に入りますが、1時間もすると眠りは浅くなり、90分から100分後には、体は寝ているが脳は起きている「レム睡眠」という状態に10~15分ほど入ります。このレム睡眠の時に、脳は要る記憶と要らない記憶を振り分ける「情報処理」を進めます。
とするとできれば、2時間ぐらいは電車の中でもたれかかるのが理想と。
川西:理想は6時間ですが、短時間でもノンレムに入らないよりは入った方がいいのは事実です。
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