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筆者:それは冗談で、報道内容には自信を持っています。

いかにも「北京発街角リポート」っぽいデザインになっていますけど、現地で取材されたんですか。

筆者:いえ、確か当時は福島県に「リカちゃんキャッスル」が完成して間もない頃で、その見学ツアーがあってそこに参加して、工場長か誰かから聞いた話が核です。

なら「福島発工場リポート」じゃないですか(笑)。そもそもジェニーは、父は映画のプロデューサー、母はデザイナーという設定で、天涯孤独じゃないのでは。

筆者:少なくとも当時、親兄弟の商品は展開していなかったはずです。

ただ、話自体は興味深い気もします。中国は既に一人っ子政策(独生子女政策)を転換していますよね。今は2人目を産むことが推奨されています(開放二胎政策)。そうなると、こうした「多兄弟設定型の玩具市場」にもこれから追い風が吹いたりするんですかね。

一人っ子政策転換=リカちゃん大躍進、とはならない恐れ

筆者:それについては複雑らしい。まず、子供に人形を買うのは親ですが、今の親の多くは日本同様、子供をたくさん産みたがらない。今、子供を産む世代は、それこそ一人っ子政策で1980~90年代に生まれた「小皇帝」が中心で、甘やかされて育っているから積極的に苦労を背負い込もうとしないらしい。教育費を中心とする養育費も高騰しているから、一人っ子政策が廃止されても子供は1人でいいという人もいる。そのため、兄弟が何人もいる設定の玩具を子供にうかつに買い与えて「私も弟や妹がほしい」などと言い出されたら面倒だと考える人もいるらしい。

なるほど。親的にはジェニーの方が都合がいい可能性がある、と。

筆者:一方で子供たちも、多兄弟設定の玩具に強い関心を持たない可能性があります。今、社会問題になりつつあるのが長男・長女による弟や妹への虐待(二胎悲劇)で、例えば、8歳の長男が2歳の妹を外に連れ出して放置したり、4歳の長女が生後2カ月の弟をベランダから落としたり(弟は死亡)する事件が起きています。虐待ではないが、「2人目を産んだら自殺する」と親を脅す子供もいるという話さえあります。

弟や妹に親の愛情が奪われるのが嫌だと。一人っ子政策がなくなっても「多兄弟設定型の玩具」が売れるとは限らない、というわけですか。子供的にもジェニーがいい、と。

筆者:一世代前の中国では、子供が複数いる人は、同窓会でも羨ましがられたらしいけど。

同窓会!?