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 3月16日、「人生の諸問題」の語り手のお一人、コラムニスト小田嶋隆さんの新刊、その名も『ア・ピース・オブ・警句 5年間の「空気の研究」』が刊行されました。前作『超・反知性主義入門』から5年、2015年から現在までの間に日経ビジネスオンライン/電子版に毎週執筆したコラムをえり抜いた、まさに現代日本のクロニクル。

 でも刊行記念とはいえ、こんなタイミングで座談会なんて、無理かな? と思ったら、なんと、岡、小田嶋、清野に加え、その他関係者まで意気軒高に会場に集まってくださいました。

コロナ騒動真っ最中の対談敢行です。本日は岡さん、小田嶋さん、編集Yさん、東京工業大学のヤナセ先生、コーディネーター清野とフルメンバーが集まりました。権威筋の推奨通り、みんな、1メートル離れて座りましょう。

:だから、もう全然、できなくなっちゃったんだよね、今。

やっぱり仕事に影響が出ていますか。

:いや、仕事じゃなくて。

小田嶋:そう、確かにマージャンは、とても近くに座って、牌も手でばんばん触るというもんで、結構よくないですよね。

あ、しょっぱなからマージャンの話ですか。

:そう、雀荘、やばいでしょう。

でしたらeゲームみたいに楽しめばいかがですか。

:そうか。そうすれば、家でできるか。それだったらメンツが簡単に集まるよね。

小田嶋:ただ、eマージャンにすると、普通のルールでしかできなくなるでしょう。ローカルルール満載のリアルマージャンのスリルがなくなる。

:プログラミングに詳しい人がいたら、できるんじゃない? ということは、一番詳しいのは小田嶋なんだから、小田嶋がプログラムをどうにかしてくれればいいんだよ。

小田嶋:そうだね。ちょっと研究してみよう。

ハイリスク役満世代

小田嶋さんは、待ち合わせをよく忘れていますが、こういうことになると、パパッと話が決まるんですね。(*こういうこと、ああいうことは、『人生の諸問題 五十路越え』など好評既刊でどうぞ)

:ネットでマージャンができるなら、話は早い。でも、やっぱ、なんかねえ。

結局、おじさんは、うだうだ集まりたい、と。

:そうなんだよ、集まって、顔突き合わせてやりたいんですよ。だいたいコロナウイルスって、今のところの致死率でいえば、インフルエンザぐらいでしょう。ちょっとこの騒ぎ方は、ヒステリックじゃないですかね。

今現在、正体不明であること、感染力が強いこと、治療法が分かっていないことなど複合的な不安要因があって、大きな注意が必要とされています。また、トイレットペーパーや抗菌、除菌グッズの買い占めは、日本だけでなく世界中で起こっています。

小田嶋:それでいうと、俺なんかはハイリスクというのに、もろに当てはまる人物像なんですよ。60歳以上、高血圧、糖尿病、既往症で服薬中って、どんどん役満に近づいていく。

:60歳以上って、そこはリスクに入らないんじゃないの? 亡くなっているのは、70歳とか80歳以上だよ。(*この認識は正確ではありません。岡さんの願望であることをお断りしておきます。)

小田嶋:一応、60歳以上がハイリスクらしいけど、75歳以上のいわゆる後期高齢者と呼ばれるところの人たちが、本当は危ないゾーンだと思いますけどね。

:だいたいさ、後期高齢者って、この言葉は間違っているというか、ひどくない?

小田嶋:ひどいよね。後期って何だよ、じゃあ、末期ってのもあるのかよ、みたいな。

自分たちが近づいていくと、他人事じゃないですよね。

:まあ、コロナは驚いたけど、日本って何かこう、一致団結といえばそうだけど、ものすごい勢いで一つのことを騒いでいくというのは相変わらずで……。

小田嶋:特にメディアがそうだよね。ところで、そのメディアから足を洗って、アカデミアに行かれたヤナセ先生とは、お久しぶりですね(*ヤナセ先生は2018年に、日経BPのあやしいプロデューサーから東京工業大学教授へ転身されました)。今日は大学の方はいいんですか。今年の入試とかは大変だったでしょう。

ヤナセ:大学自体はすでに春休みなんですが、その前に入試は何とか無事に終わりました。万が一のため大学も受験生に配るマスクを用意して、試験のときは、基本的に受験生にはマスクをして受けてもらうということで。

オダジマの入試時期は風疹が大流行

:異様な光景だよね。

ヤナセ:おかげさまでトラブルもなく二次試験も合格発表も終わりましたが、卒業式は大幅縮小、入学式は中止です。

小田嶋:それでいうと、俺たちのときに風疹、流行ったよね。大学の入試中に風疹のやつは結構いたのよ。

:流行った、流行った。

小田嶋:俺は入学してから罹ったんだけど、すごい大変だったのよ。科目登録のときになっても、まだ風疹で死んでいたからさ、岡が代わりにやってくれたんだよね。

:そういえば、そうだったね。

小田嶋:お前が俺の科目登録をしたというのが運の尽きで、これがひどい登録だった。