バルサはコミットメント型、レアルはスター型

本書では、組織文化を5つの類型に分けています。対応するサッカーチームも挙げてあり、「スター型:レアル・マドリード」「独裁型:チェルシーFC」「官僚型:リバプールFC」「エンジニアリング型:ボルシア・ドルトムント」「コミットメント型:FCバルセロナ」といった分け方です。改めて下に整理したものをまとめておきます。

 企業もこの類型に分けていくことができ、このところ成功を収めている企業には、コミットメント型が多い実例や調査結果を著者は明示していきます。

(1)スター型:レアル・マドリード
スター型文化の企業は、エリート大学や既に成功している他企業の出身者を雇い、大きな裁量を与える。社内にはしゃれた食堂や福利厚生施設があるのも、特徴。

(2)独裁型:チェルシーFC
官僚型と似ているが、すべての規則、業務内容、組織構造が、根本的に一人の願望や目標から生まれる。通常の会社の創業経営者やCEO(最高経営責任者)がその「一人」に当たる。

(3)官僚型:リバプールFC
分厚い中間管理職の層を通じて企業文化が生まれる。業務内容や組織構造、社員が守るべき規則や原則など、幅広い事柄を経営者が定め、すべてが明文化される。毎週の会議のような儀式を通じ、定期的に現場へと価値基準が伝えられる。

(4)エンジニアリング型:ボルシア・ドルトムント
スター社員は多くないが、技術者のグループが最大の影響力を持つ。問題解決や採用判断のあり方にも、技術者たちのものの見方が浸透しており、企業の成長を加速させられる。

(5)コミットメント型:FCバルセロナ
1人が1つの会社に勤め上げ、幸せでいられた時代を再現。ゆっくり着実に成長することを重視する価値基準があり、ほかの類型の企業よりも社員の解雇を避ける傾向がある。

中竹:はい、各組織は実態に合った型を模索すべきで、コミットメント型を目指すということであれば、バルサは大いに参考になるでしょう。

 バルサは世界最高峰プレーヤーといわれるリオネル・メッシをはじめ、スター選手がたくさんいるので、個々のタレントの力で勝っているんだろうと思われがちです。

 けれど、実際にはそれだけじゃない。実は根底にあるカルチャーが機能して、勝ち続けているのです。

 これは他分野の多くの組織にも応用可能で、コミットメント型はそんなに個が強くなくても勝てる組織タイプなのだと思います。

 大切なのは、自分たちのカルチャーはどういうものであり、どこに向かっているのかということを、できるかぎり言語化して、具体化していくことでしょう。

(4回目は2019年8月15日掲載予定)