最も見えづらい組織の文化、変えるには?

 

中竹:ピラミッドを組織全体とみなします。ここに何らかの変化をもたらしたいときにはどうすればいいのか。

 組織を根本的に変えたいのなら、最下部にある文化の部分に手をつけないといけません。そうしない限り、どんなに組織を改革しようとしても、表層的な変化にとどまってしまいます。

 ただ同時に難しいのは、最下部の文化層そのものは言語化されていなかったり、無意識下にあったりして、実態を捉えにくい。無理やり変えようとしても、変える方策が見いだしづらい。「文化層だけ変える」ということも、不可能です。

 結局、人が意識的に変えることができるのは、この図で言えば、2番目にある層の「行動・習慣」までです。日ごろの行動や習慣が改まれば、パフォーマンスも上がっていきます。そうやって上層は変えられるんです。

 その上で、一人ひとりの行動や習慣は、組織の風土や文化に徐々に浸透しますから、時間をかけて下層も変えていくのです。

 組織でよく掲げられる「ステートメント」「ミッション」「ビジョン」といったものは、このピラミッドの上から下まで浸透しなければ、定着したとは言えません。けれど、そもそも人間にコントロールできるのは、「行動・習慣」の層まで。であれば、行動・習慣を、ビジョンなどに沿って変えていくことで、時間をかけて、風土や文化にしていくしか方法はないわけです。

 ここで1つ注意すべきなのは、ピラミッドの下部へ行けば行くほど、当事者の目には見えにくく、気づかないものになっていく、ということです。

 組織文化がどうなっているのかは、その組織の「内側」にいると本当に見えづらい。

 だから第三者が入ることが有効なのですが、コンサルティングなどの支援サービスで陥りがちなのは、バリューやミッションを示して「風土」の体裁を変えるだけにとどまってしまうということです。

 そうすれば表面上は変化があったように見えても、そのうち従来の組織の根底にある文化に押し潰されて、立ち消えてしまうのがオチです。

 時を経ても継続できる行動や習慣を組織の人たちに植え付けて、文化の部分までつくり変えていくこと。

 組織の改革は、文化まで変えていかなければ実を結ばない。決して一朝一夕に実現できるものではない、ということは心得ておきましょう。

(3回目は2019年8月8日掲載予定)