FCバルセロナは「コミットメント型」

 それぞれに長所・短所はあるが、ビジネスにおいてはコミットメント型の文化を持つ組織の成功率が高いという研究成果もある。FCバルセロナの成功例と併せてみれば、コミットメント型が現代の「常勝組織文化モデル」と考えていいだろう。

 では、FCバルセロナ流の強い組織文化は、どうしたら生成・継承・発展させられるのか。

 そこをひもとくために、ヒューズ氏が注目しているのが、クラブを率いた偉大なリーダーたちの存在だ。

 ともにクラブのスター選手にして、そののちの名監督としても君臨した、ヨハン・クライフ氏とジョゼップ・グアルディオラ氏だ。

 2人のリーダーは、何に重きを置いてクラブを率い、成功へと導いたのか。取材と分析の末、ヒューズ氏は次のような要素を抽出した。

  • 理想
  • 変革の旅路
  • 反復の仕組みと実行
  • 文化の設計者と組織の英雄
  • 本物のリーダーシップ

 これらを意識することで、強い組織は形成されていくという。

 この項目は、そのまま本書の目次立てにもなっており、通読すれば各要素の意味と育み方はしっかり頭に入ってくる。チームビルディングの極めて実践的な基本書として、時代や地域、業種や立場を超えて読み継ぐことができる。

 加えて、サッカー好きやバルサファンがこれを読むと、頻繁に出てくるクライフやグアルディオラの魅惑的なエピソードも楽しめるはずだ。当時の様子にどっぷりとのめり込める分、深いところまで理解が進むだろう。

 本連載の2回目からは、本書の日本語版解説で濃厚な論を披露する中竹竜二氏が直接、FCバルセロナを基点に考える組織論を展開する。

(2回目は2019年8月1日掲載予定)