全6800文字

東アジアで日本は孤立?

山川:上の南北逆さまの地図を見ると、日本列島は中国の海洋進出に対し、蓋をしているように見えます。それだけ地政学的に重要な場所だと分かります。ただ、韓国から米軍が撤退した場合は極東で日本だけが孤立することになりますね。

メア氏:そうです。残念ながら東アジアで日本の周りに友好的な国が見当たりません。ロシア、中国、北朝鮮などの脅威を直接、受けます。

 この地図を見れば、沖縄も含めて、いかに日本が戦略的な場所であるかが、理解できるでしょう。

 冷戦時代から日本は重要な場所でした。ウラジオストクにはロシアの重要な海軍基地があります。もし米ロが戦争を起こした場合、日本の自衛隊の役割は、この地域の海峡を封鎖することでした。

 今はロシアだけでなく、中国に対しても同じ役割が求められています。幸い、安倍政権になってから、安全保障制度が整備され、集団的自衛権の行使が可能になりました。防衛予算を増やし、ミサイル防衛なども整備しようとしています。

西野:日本もアメリカから、在日米軍の駐留経費の負担増を求められています。アメリカは現在の4倍の負担増を求めているという話も聞こえてきますが、この点については、どう見ていますか。

メア氏:日米間には、日米地位協定に定められていない駐留経費を「思いやり」と称して日本側が負担する取り決めがあります。現在、約20億ドルで推移しているわけですが、前大統領補佐官のボルトン氏が日本にきて4倍増を打診したといわれています。あくまでも、正式には発表されていない数字ですが。

 もともと、思いやり予算というのは、まずおカネありきではなく、安全保障に関する日米間の責任分担を確認するところから始まったものです。冷戦時代には、法律の問題もあって、日本ができることは限られていました。そこで日本が費用を負担することになったのです。

 駐留経費と言っても、アメリカの軍人そのものではなく、主に在日米軍基地内で働いている日本人の給与や、施設の建設費、水道光熱費などが対象になります。そもそもこれ以上予算を増やしたら、米軍の人件費そのものを日本が負担することになって、雇い兵と同じになってしまいます。

 今回は、責任分担の話が抜け落ちていて、金額だけを大統領とその側近が言い出した。国防総省と国務省は、どうやって積算したか説明できずに困っています。