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西野:最近、消費税を8%から10%に引き上げたばかりで、しかも増税分を社会保障に充てると言っていたはずですが……。

増田氏:消費税で賄うのは、年金・医療のほか、介護、子育て、生活保護支援など。2%引き上げても、それがすべて医療に回るわけではありません。

西野:全然足りないということですね。

山川:2022年問題が「待ったなし」といわれるもう1つの理由は、保険組合の赤字が相次いでいることです。大企業の社員を中心とした健康保険組合、中小企業の社員などが入る全国健康保険協会など、みんな苦しい。健保などの仕組みは、社員と会社が負担を折半していますから、会社も大変です。その結果、健保を解散する動きも顕著になっていますね。

増田氏:最近、解散して、従業員は国民健康保険などで対応してください、という動きも出ています。そうなると、ますます全体が苦しくなる。

西野:お聞きしていると、後期高齢者の負担割合を2割に引き上げたところで、私たちの負担が減るわけではなさそうですね。

増田氏:正直、減らすのは難しい。ただ、例えば子育て支援ということで、保育料の無償化が始まりました。若い世代に対する支援も充実させようという動きはあります。いずれにせよ、高齢者にもう少し負担をお願いしないと、全体が回りません。

西野:そこで2つ目の疑問です。

団塊は 段階踏んで 負担増?

山川:今後、後期高齢者の負担がどうなっていくのか、もう少し詳しく見ていきましょう。現在、後期高齢者でも年収が370万円を超える人は3割負担。それ以外の人が原則、1割負担になっています。これを2割に引き上げようというわけですね。

増田氏:そうです。ただし、所得が低い層は現状のまま1割に据え置くことになると思います。

山川:低所得者というのは、どれくらいの基準になりそうですか?

増田氏:住民税を支払っていない人が対象になると思います。収入でいうと、世帯構成などにもよりますが、150万円以下くらい。

山川:そうすると、仕事をしている人に加え、大企業勤めで3階建ての年金(国民年金+厚生年金+企業年金)をもらっている人の多くは、2割負担になりそうですね。

増田氏:もちろん検討中で、まだ詳細が決まったわけではありませんが、そういう方向になるでしょう。

西野:年収が370万円以上ある人は、現行の3割のままということですか。

増田氏:そうです。ただ、後期高齢者で年収が370万円以上ある人はそれほど多くありません。