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山川:まさにアメリカの大統領選のタイミングに当たっていますね。日本の負担がどうなるのか。韓国がアメリカの要求をのんだら、今度は日本に強く迫る展開が予想されるのでしょうか。

森本氏:展開を予想するのはなかなか難しいですが、少なくとも韓国と同じ予算項目にはなりません。先ほどの話に照らし合わせると、B52が日本に来るわけではありませんし、空母は常時、日本にいますから。米兵のローテーションも、日本の場合は韓国に比べれば、海兵隊の一部だけで、ごくわずかにすぎません。

 では、日本の場合、どうなるか。おそらく日本の周りで米軍が活動することにかかる様々な経費を対象にしてくるでしょう。例えば、北朝鮮のミサイルを発見するためにレーダーだけでは不十分なので、多数の衛星を連携して活用する衛星コンステレーションを構築しようという計画があります。この衛星を使って、北朝鮮のミサイルを発射段階から探知しようというわけです。

 この衛星を打ち上げる費用を、日米で一緒に負担しないかという話は浮上するかもしれません。そうなると、ものすごい金額になります。このように従来とは違う費目を要求される可能性があります。

西野:中東でも先ごろドローン兵器が注目されましたが、安全保障では、常に新しい分野にコストがかかるということでしょう。

山川:駐留経費負担という点では、米国防総省が公表したこんなデータもあります。2004年と古いですが、駐留経費全体に対する負担比率は日本がダントツで74.5%。韓国やドイツよりはるかに負担割合が大きい。

森本氏:これは数字の捉え方を注意しなければなりません。74.5%のうち、いわゆるホストネーションサポートと呼んでいる駐留経費などは全体の3分の1なのです。

 残りは何かというと、例えば沖縄の基地を貸している土地・施設の賃料や、グアムに移転する費用などが入っています。全体としてアメリカに払っているおカネが6800億円なのす。

 実はアメリカは2004年まではこのデータを公表していましたが、その後は出さなくなりました。出せば、日本からは「こんなにたくさん負担しているじゃないか」と言われますから。

山川:対日交渉については、このデータは不利になるわけですね。

森本氏:そうです。韓国に対しては「もっと出せ」という圧力に使えるわけですが。