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西野:先ほど駐留経費の話が出ましたが、そこで2つ目の疑問です。

トランプ氏 GSOMIAより 駐留費?

 トランプ大統領は、安全保障よりもお金の方に関心が強いようにも見えます。

森本氏:トランプ氏がビジネスマンだからというのではなく、これはアメリカ国民が持っている素朴な本音でもあります。

 アメリカには40を超える同盟国があって、海外におよそ20万人の兵力を抱えています。最大兵力は日本で5万5000人くらい、第2位がドイツで3万4000人、そして第3が韓国の2万7000人。

 このうちドイツは北大西洋条約機構(NATO)の一員で、NATO加盟国は防衛費の対国内総生産(GDP)比率を2%とする目標を掲げています。ただ、ドイツはこの目標をのもうとしていません。本当にドイツが2%まで引き上げると、ロシアの国防費とほぼ同額になってしまいます。それは欧州諸国に大変な脅威をもたらすため、周辺国も必ずしも望んでいるわけではありません。

山川:NATOの他国も受け入れられない?

森本氏:だからドイツは自制しているところもあるのですが、アメリカはこれが不満なのです。つまりアメリカ国民の税金を使って、なぜ同盟国の安全を担保しなくてはいけないのかと。もっと自助努力してほしいと。

山川:トランプ氏だけが言っているわけではないのですね。

森本氏:アメリカ社会がそういう考え方なのです。そこは軽視してはいけません。

 韓国と日本については、防衛費だけでなく、そもそも米軍がいるので「これに必要な活動費を払え」というのがトランプ政権の主張です。

山川:とはいえ、韓国に対して、駐留経費負担を急に約5倍に増額するというのは無理筋だと思います。トランプ流の交渉術の一環ということでしょうか。