西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):このコンテンツは、毎週土曜日朝9時から放送しているBSテレ東の「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の中でお伝えし切れなかったことを、改めてインターネットの記事や動画でお届けしようというものです。
今回のテーマは「GSOMIAの終了延期で、どうなる日米韓関係?」。
山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):驚きましたね。大方の予想では、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は破棄される見通しでした。今回は韓国が急きょ、継続に動いた背景と、今後の東アジアの安全保障に与える影響について考えたいと思います。
西野:ゲストは拓殖大学総長で元防衛大臣の森本敏さんです。よろしくお願いします。
森本敏氏(拓殖大学総長、以下、森本氏):よろしくお願いします。

1941年東京都生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊入隊。1979年外務省入省、情報調査局安全保障政策室長など一貫して安全保障の実務を担当。退官後、野村総研主席研究員などを経て、2000年に拓殖大学国際開発学部(現・国際学部)教授。2012年、民間人初の防衛大臣に就任。退任後も防衛大臣政策参与として国政に参加。2016年拓殖大学総長。著書に『徹底討論 どうする⁉どうなる⁉「北朝鮮」問題』(田原総一朗氏との共著、海竜社)など。
山川:森本さんはこのニュースを、どう受け止めましたか。
森本氏:アメリカが水面下でやっていた調停工作が土壇場になって効力を発揮したということでしょう。本当にギリギリのタイミングでした。韓国としても相当勇気をもって決断したと思います。
日本はどちらかというと冷めていて、GSOMIAを破棄しても延期しても本質的にはあまり変わらないと見ていました。韓国はそうではなく、これが最後のチャンスと考えて、日本にできるだけ譲らせようとしていました。2020年4月15日に予定されている総選挙を有利にするテコにしたいという意欲もありました。
その意味では、10%くらいはサプライズですが、90%は「またか」という印象です。日韓の間では、常にこういうことを繰り返してきたので、大きな驚きはありません。
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