検閲を輸出する中国

山川:今回の演説で目を引いたのは「中国は検閲を輸出している」という表現ですね。かなり強い言葉です。

中林氏:はい。NBAやナイキが中国に忖度するということは、すなわち検閲がアメリカに来たというわけです。この点を非難せずに放置しておいたら、トランプ政権は国民からそっぽを向かれてしまうし、民主党からも攻撃されてしまうと、ペンス氏は考えたのでしょう。

山川:本来、大企業に対して厳しいのは民主党ですが、共和党のペンス氏が批判するというのは、どう受け止めるべきですか。

中林氏:確かに、本来、共和党は企業寄りの政策をとります。トランプ政権も法人税を大幅に引き下げました。企業が健全で金もうけをしてくれることによって他の人たちも潤う、いわゆるトリクルダウンの考えが基本にあります。

 これに対して、支持基盤に労働組合を抱える民主党は大企業に厳しい。日ごろから、大企業は雇用を海外に持っていったと批判しています。今回の演説では、そこに配慮して、共和党も大企業に対して、言うべきことは言うぞと、メッセージを込めたわけです。

西野:ペンス氏の発言には、いろんな狙いが込められているのですね。そう言えば、見た目も、落ち着いて見えます。トランプ大統領より一回り年下なのに、2人が並ぶとあまり歳の差を感じさせません。

中林氏:2016年の大統領選挙の時に、副大統領候補同士のテレビ討論会があったのですが、それを視聴していた人は「ペンス氏のほうが大統領みたいだ」と言っていました。それくらい押しがあるし、理念がしっかりしているように見えるのでしょう。

山川:経歴を見ると、ペンス氏は若い時はテレビ番組の司会をやっていたこともあるそうです。

中林氏:それもあって弁も立つし、言葉もきれいで聞き取りやすい。共和党の中には、「トランプ氏よりいい」という人は結構多いですよ。「どうして」と聞くと、「少なくとも予見可能だ」と言ってましたね(笑)

山川:なるほど、それはそうかもしれない(笑)。

西野:中林さん、ありがとうございました。

(注:この記事の一部は、BSテレ東「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の番組放送中のコメントなどを入れて、加筆修正しています。都合により今回は金曜日に掲載しました)

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