西野:福音派の人たちは、トランプ氏よりもペンス氏を支持している?

中林氏:そうですね。米国では選挙戦を共に歩む副大統領候補のことを「ランニングメイト」と呼びますが、ペンス氏がランニングメイトとなったのがきっかけで、トランプ氏を支持するようになった人は多いです。

山川:中林さんの著書『トランプ大統領はどんな人?』にも、ペンス氏のことは詳しく書いてありますね。

 ところで、最初の川柳の疑問に戻りますが、2人の仲はいいのですか、悪いのですか?

西野:真逆のキャラクターに見えますよね。

筋金入りの福音派

中林氏:こんな質問が出るところが、トランプ政権らしいですね。トランプ氏はたくさんの閣僚をクビにしました。当初、あれほど仲が良かったマティス国防長官(当時)とも仲たがいしましたしね。

 仲が良いかどうかはともかく、ペンス氏はものすごく信心深い人で、福音派の中でも筋金入りです。大統領のランニングメイトになったのは、「神様がトランプ氏をアメリカに遣わしてくれた」と、思っているとさえいわれています。

山川:えー、本当ですか?

中林氏:日本人からしたら驚きですよね。だからこそ、トランプ氏の言うことには忠実なのです。経済のこともよく分かっていて、実はインディアナ州知事をやっていた時には環太平洋経済連携協定(TPP)に賛成でした。ところが、ランニングメイトになってからは大反対に回りました。今はトランプ氏の意見に明確に反対することはまずありません。

山川:アガサ・クリスティーのミステリーではないですが、トランプ氏の周囲は「そして誰もいなくなった」という状況です。初期の頃から支えている幹部は、娘婿のクシュナー氏を除けば、ムニューシン財務長官とペンス氏くらい。やはり表立ってトランプ氏に反対しないというのがその理由でしょうか。

中林氏:それは大きいですね。

山川:イエスマンということですか? それともトランプ氏をうまく操っている?

中林氏:100%のイエスマンではありません。筋金入りで信じるものが彼にはありますから。自己分析を問われた際に、「自分はまず第一にキリスト教徒。共和党員であるというのは最後に来る」と語っています。

 全部を放り投げてトランプ氏の言うことを何でも聞くということではないでしょう。ただ、もともと政治家の嗅覚もある人ですから、トランプ氏の下で上手に生きていける。トランプ氏が選挙を意識して、次にどうしたいと思っているかは、肌感覚で分かるのでしょう。そこがトランプ氏にとってみれば、気持ちがいいのかもしれません。

 ちなみに、福音派であるペンス氏は、奥さん以外の女性と2人きりでは食事をしません。アルコールも飲みませんよ。