100発以上のミサイル攻撃

西野:ところで、そもそもなぜこのタイミングでサウジの石油施設が攻撃されたのでしょう?

小泉氏:そこはよく分かりませんが、はっきりしているのは、これは単発の出来事ではないということです。サウジはここ数年、弾道ミサイル攻撃を受け続けています。フーシ派が撃ち込んだ弾道ミサイルは百数十発に及んでいるでしょう。これだけの弾道ミサイルを撃ち込まれた国はそれほどありません。

山川:もちろん逆もやっているわけですね。

小泉氏:そうです。サウジからイエメンに対して非人道的な無差別空爆をやっているから国際的に非難されているわけです。いずれにしても中東ではここ数年、かなり血なまぐさい武力行使が繰り返されているのであって、唐突に起こったわけではありません。中東の指導者にとって、ミサイルを撃つこと自体がそんなに特別なオプションではないということです。

西野:今回、サウジが報復に出る可能性は、あるのでしょうか?

小泉氏:能力的にいうとサウジ軍はアメリカやフランスから強力な武器を購入していますので、反撃能力はあります。しかし、そうなった場合、完全にイラン対サウジの全面戦争が始まりかねません。それをサウジの指導者が許容するかどうか。

 私はこの点において、中東の専門家ではありませんが、今のところ、戦争にまで一気に発展する可能性は低そうです。原油価格も少し上がった程度で安定的に推移している。イランもサウジもこれ以上エスカレートさせるメリットが無いと見ているのだと思います。

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