ドローンはおとり?
例えばですが、ドローンはおとりに使ったり、無線設備や電線を破壊することだけに使ったりしていることが考えられます。混乱しているところに本命の巡航ミサイルが突っ込む。そういう使い方が考えられます。
西野:戦闘で使うドローンは、無人であること以外のメリットはあるんですか?
小泉氏:一つは先ほど話したように、値段が安いということです。小さなものであれば、1億円もしないと思います。ただ、これも勘違いしてはいけないのは、大きなドローンになると普通の航空機より高いです。
西野:巡航ミサイルはどれくらいですか?
小泉氏:こちらもモノによるとしか言いようがないけれど、数億円はします。これに対して、今回サウジで使われた小さなドローンなら1000~3000万円で買えるかもしれない。そう考えると、安く攻撃できることは間違いありませんね。
山川:確かに原理的には巡航ミサイルだろうが、ドローンであろうが一緒ですよね。目的地を定めてそこへ無人で飛ばすわけですから。
小泉氏:そう。自爆型ドローンというのは、簡易版の巡航ミサイルと言っていいと思うんですね。
西野:さて、次の疑問です。やはり気になるのはこの点です。
攻撃に イランはどこまで 関与した?サウジやアメリカは断定するようなことを言っていますが。
山川:いろんな説がありますね。このパネルの地図を見ながら、説明していきましょう。
西野:はい、まずイエメンの反政府武装組織、フーシ派。
山川:フーシ派は犯行声明を出しましたからね。
西野:それからイランの首脳陣が直接、指示したのではないか。
山川:最高指導者のハメネイ師、あるいは、ロウハニ大統領などが関与しているかどうか。
西野:イランの革命防衛隊説もあります。
山川:現場が勝手に動いたという説ですね。飛んできた場所もイランからという説と、イラクのシーア派、ここもかなりイランがコントロールしていると言われていますが、こちらから飛んできたという説があります。
さらに言えば、イスラエルやアメリカが何らかの形で攻撃を事前に知っていた陰謀説まで浮上しています。小泉さんはどう見ていますか。
小泉氏:外形的に分かっていることで言えば、飛んできたドローンや巡航ミサイル自体はイランが持っているものに極めてよく似ています。
これまでイエメンのフーシ派はイラン製の弾道ミサイルや巡航ミサイルを使ってサウジを継続的に攻撃していました。フーシ派は今回、巡航ミサイルとは言っていませんが、「実行したのは我々だ」と主張しています。こうした点を踏まえると、フーシ派がイラン製の兵器を使って攻撃をしたというところまでは、認めていいんじゃないでしょうか。
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