西野:まずこちらの疑問から伺います。

ドローンは おもちゃじゃなくて 兵器なの?



 最初にニュースを聞いたときに無人配達などで使われるような小さなドローンをイメージしていたんですけれど、実はそうではないんですね。

小泉氏:そもそも専門家の間ではあまりドローンとは呼ばないんですよ。無人航空機(UAV=Unmanned Aerial Vehicle)と言うことが多い。ある時から急にみんなドローンと言い出しました。

西野:どれくらいの大きさをイメージすればいいのですか?

小泉氏:皆さんがイメージするのは観光地などで見るプロペラが4つ付いた物ですよね。値段は10万円から数十万円くらい。

 これに対して、軍事用のドローンは、千差万別。民生用と変わらないような、兵隊が手で投げるような小さなものもあります。大きいのは翼の幅がボーイング737旅客機と同じぐらいで48時間続けて飛ぶようなものもある。専門家の間で無人航空機と聞いて、最初に想像するのはどちらかと言えば、大きい方です。

山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):日本や中国では民生用のドローンのイメージが強いけれど、実は以前から軍事用として無人航空機があったというわけですね。しかも、それは一般には想像ができないような大型のものもある。

西野:威力としてはどのくらい大きなものなのですか?

小泉氏:これもひとくくりにはできません。どれくらいの大きさのドローンに、どれだけの爆薬を積むかにかかってきます。小さなドローンだったら、小さな爆薬しか積めません。

 自動車でも大型トラックからコンパクトカーまであります。自動車と呼ぶだけでは、具体的なイメージがわきませんよね。今回のドローンも、どんなものを使ったかを考えなくてはいけません。

 その意味では、今回サウジが証拠として提示した残骸を見ると、あまり大きくない。飛べる距離も長くないはずだし、積める爆薬も大きくはないでしょう。

フーシ派の巡航ミサイルと、今回使用したとされるドローンの残骸
フーシ派の巡航ミサイルと、今回使用したとされるドローンの残骸
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山川:写真だと長さがよく分かりませんね。

小泉氏:写真の左側にある説明用のプレートは会議のネームプレートなどに使うものなので、それと比較すると分かりやすいでしょう。ドローンも小さいことが分かります。

西野:写真だと手で持ててしまいそうな。

小泉氏:手で持てると思いますよ。

西野:これで石油施設を壊したんですか?

小泉氏:おそらくそれは難しいと思います。これぐらいのドローンに積める爆薬は数キログラム程度なので大きな石油タンクを爆破するのは困難です。

山川:サウジは9月18日、巡航ミサイル7発と自爆ドローン18機の合わせて25機の飛翔(ひしょう)体による攻撃だったと発表し、現場に落ちていたとされる残骸を公開しましたが、そうすると、破壊したのは巡航ミサイルということですか?

巡航ミサイルの残骸
巡航ミサイルの残骸
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小泉氏:巡航ミサイルなら高性能の軍用爆薬が頭の部分に入っており、スピードもずっと速い。これが石油タンクに突っ込んでくれば、石油に引火して、ああなることは十分考えられます。

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