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テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第8回のテーマは米中衝突「為替操作はあったのか」。マーケット・アナリストの豊島逸夫氏は米中衝突の行方について「大統領選挙を控える米国よりも、持久戦に持ち込む中国の方が有利」と見る。為替操作国の認定については「中国には前科がある」と指摘する。

西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):さて、今回のテーマはこちらです。「米中対立 音をあげるのはどっち?」

 米中衝突はさらに激しさを増しており、市場も動揺しています。そこで今回は、マーケット・アナリストの豊島逸夫さんにお話を伺います。よろしくお願いします。

豊島逸夫氏(豊島&アソシエイツ代表、以下、豊島氏):よろしくお願いします。

山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):投資家の皆さんはいつも、豊島さんの記事や発言に注目しています。

西野:ただのマーケット・アナリストの方ではない?

豊島氏:ほめ過ぎですよ。ほめ殺しですね(笑)。

豊島 逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行で国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーを務める。その後、2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル日本代表。独立後は国際金融、マクロ経済の最新動向を中心に執筆、講演を精力的に続けている。欧米のヘッジファンドや年金基金などの幅広い人脈を生かし、独立系の立場から分かりやすく市場動向を説くことに定評がある。日経電子版マーケット面コラム「豊島逸夫の金のつぶやき」を連載。著書に『金を通して世界を読む』(日本経済新聞出版社)。

西野:それではまず、最初の疑問です。

本当に 操作してるの 人民元

 アメリカが中国を為替操作国に認定しましたが、そもそも世界的なルールに照らし合わせると、今回は本当に操作していると言えるのでしょうか?

豊島氏:比喩を使って言うと、前科があるから状況証拠で判断されたということです。

西野:前科がある?

豊島氏:今回は世界から非難されるような露骨な操作はしていません。昨年、人民元は下がったといっても、実勢の範囲内でしょう。

 ただ、中国は過去にもっと露骨に元安に誘導してきた歴史があります。元安によって輸出産業を後押しし、巨額の貿易黒字をため込みました。そういう前科がある。

西野:2015年に元相場が急落した、いわゆる「チャイナ・ショック」のことですか?

豊島氏:それも1つですけど……

山川:豊島さんが指摘しているのは、もっと古い時代のことですね。中国は戦略的に元安に誘導して、輸出産業の発展を後押ししてきました。

豊島氏:当時と比べれば、今回の件は露骨なものではありません。操作という言葉は当たらないと思います。

西野:このニュースを聞いたときに、人民元の為替レートの決まり方として「基準値」という言葉が出てきました。