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ホワイト国という呼び名は日本だけ

細川氏:言葉は日本だけだと思いますが、類似の制度を各国が持っています。世界的な輸出管理の枠組みというのは何十年も前からあり、日本はそのメンバーです。そこに入れば兵器に使われることのないように輸出管理をする義務が生じるし、きちんとやっていれば、優遇措置を受けるということです。

西野:企業社会では、ホワイト企業とか、ブラック企業といった使い方があります。今回は安全保障上、ホワイトかブラックか? という意味なのでしょうか?

細川氏:単に安全保障上というだけではなく、輸出管理をきちんとやっている国かどうかを見ています。そうでないと、日本からの輸出品が危ない国に行ってしまえば、日本の責任になってしまいますから。

西野:実際にそういう具体的なことが起こっているのですか?

細川氏:韓国については、残念ながら「不適切な事案」という言葉で表現されていますが・・・・・・。

山川:世耕弘成経済産業大臣などが言っていますね。

細川氏:一般的には分かりにくいと思いますが、輸出管理の世界で不適切な事案といえば、相手国がきちんと管理せずに軍事目的に使われているようなことを指します。あるいは、第三国、この場合、北朝鮮やイランなどに横流しされる恐れがあるという意味です。私が知る限り、どうやらここ数年、1件や2件ではなく、常態化していたらしいです。

西野:私、知らなかったんですが、今回、規制の対象となった、レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドの3品目は、半導体製造だけでなく、兵器にも使われる可能性があるんですね。

対象となった3品目は兵器に使用される恐れ

細川氏:化学兵器に使ったり、ミサイルやレーダーに使ったりされる恐れがあります。

 実は日本は、これまで韓国を一番優遇していた国の1つなのです。例えば、欧州連合(EU)が日本のホワイト国に当たるような指定をしているのは8カ国。その中に日本は入っていますが、韓国は入っていません。EUにおいては韓国は第2グループで、トルコやアルゼンチンなどと同列に位置付けられています。

山川:つまり、今回の日本の措置はEU並みにしたというわけですね。

西野:ホワイト国が取り下げられた例というのは外国も含めてありますか。

細川氏:海外の出し入れについては分かりませんが、どの国も優遇措置を維持するかどうか、普段から協議をしています。ところが韓国はこの2~3年、そうした協議に応じていなかったのです。

山川:それも不信感につながっている?

細川氏:はい。相手がきちんとやっていることを確認せずに日本が優遇措置を講じていると、ほかのメンバー国から非難を受けることになりますから。

 日本は国際的な義務を果たすためにも今回、協議に応じていない国、そして不適切な事案が常態化している国を、ホワイト国から除外する必要があったのです。むしろ、もっと早くすべきだった。

西野:今回、欧米の新聞などでは、「日本はトランプ大統領と同じやり方をしている」といった報道を目にしますが……。