テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第4回目のテーマは、韓国への輸出管理の強化。細川昌彦・中部大学特任教授は「輸出管理の協議に応じない韓国への優遇をやめ、普通の国に戻しただけ。世界貿易機関(WTO)協定違反にはならない」とし、もっと国際的なアピールが必要だという。

西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):このコーナーは、BSテレ東で毎週土曜日の朝9時から放送している「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」で、お伝えしきれなかった内容をお伝えするものです。

 今回のお題は「韓国への輸出管理の強化」。

山川龍雄(日経プラス10サタデー・メーンキャスター、以下、山川):今一番、視聴者や読者の皆様の関心が高い話題と言ってよいかもしれません。今日はこのテーマを聞くのにふさわしい人をお招きしました。

西野:中部大学特任教授の細川昌彦さんです。経済産業省で日米交渉などを担当された通商の専門家です。よろしくお願いします。

細川昌彦(中部大学特任教授、以下、細川氏):よろしくお願いします。

<span class="fontBold">細川昌彦(ほそかわ・まさひこ)</span><br /> 1955年生まれ。77年東京大学卒業、通商産業入省。貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長、2002年貿易管理部長など通商交渉を最前線で担当した。その後、中部経済産業局長、日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長などを経て現職。著書に『暴走トランプと独裁の習近平にどう立ち向かうか』(光文社新書)、『メガ・リージョンの攻防』(東洋経済新報社)など。
細川昌彦(ほそかわ・まさひこ)
1955年生まれ。77年東京大学卒業、通商産業入省。貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長、2002年貿易管理部長など通商交渉を最前線で担当した。その後、中部経済産業局長、日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長などを経て現職。著書に『暴走トランプと独裁の習近平にどう立ち向かうか』(光文社新書)、『メガ・リージョンの攻防』(東洋経済新報社)など。

山川:細川さんはまさに輸出管理の取り決めに携わっていらっしゃったんですね。

細川氏:課長時代に4年、部長になって責任者として1年、5年もやっていたのは経産省ではたぶん最長だと思います。韓国とも協議をずっとやってきました。

西野:その頃の経験も踏まえて、お話を伺いたいと思います。最初の疑問がこちらです。

ホワイトで ないとするなら 何色か

 輸出管理で優遇されるホワイト国から韓国を除外するというのが大きなニュースになりました。ホワイトでなければ、グレーなのか? ブラックなのか? と思ってしまうのですが、何色なのでしょう?

細川氏:無色ですね。

西野:韓国は無色の扱いになる?

細川氏:はい、普通になるということです。例えば東南アジア諸国連合(ASEAN)やインド、メキシコなどと扱いが同じになる。

山川:改めて、ホワイト国の意味を教えていただけますか?

細川氏:通常、海外に輸出する製品は、(安全保障上、適切に管理されているかどうかを)個別に審査する必要があるわけですが、ホワイト国になると手続きが優遇されます。3年間有効になる許可をもらえば、それ以降は企業に任せられ、(リストに規制された対象品目以外は)許可が不要になります。

日本がホワイト国に指定している27カ国
日本がホワイト国に指定している27カ国

西野:この地図にホワイト国が示されていますが、現在は米国や英国、フランス、韓国など27カ国が対象となっています。このうち韓国については、日本政府は8月末にも除外する意向を示しました。そもそもホワイト国という呼び名は世界中で使われているのですか?

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