上院選が重要なポイント

山川:仮にトランプ大統領が再選したとしても、議会をいずれの党が握るかによって、状況は変わりますね。

 現在、下院は民主党が過半数を握っていますが、上院は共和党。ところが大統領選と同時に行われる議会選挙で、上院も民主党が過半数を握ることになると、トランプ氏の掲げる政策がほとんど通らなくなる。このあたりはどう読むべきでしょう。

クラフト氏:これが今、アメリカの専門家の間では、焦点になっているテーマです。トランプ氏にとってみれば、再選できても、上下院とも民主党が握れば、レームダック化してしまう。それに弾劾話が再浮上する可能性もあります。まさに死活問題なのです。

 弾劾裁判で大統領を罷免するには、上院の3分の2の賛成が必要です。さすがに民主党が3分の2を握るとは思えませんが、過半数を握れば、再び民主党が蒸し返すことは十分あり得ます。

山川:トランプ大統領としては、自分の再選とともに、何としても上院選で勝利したいわけですね。

クラフト氏:そうです。そこで今、関心を集めているのが、ポンペオ国務長官の動向です。地元のカンザス州から上院選に出馬するかどうかが話題になっています。

山川:トランプ氏が再選しても、必ずしもその先に本人にとって幸せな4年間が待っているとは限らない?

クラフト氏:とにかくトランプ氏が再選した場合、どんな展開になるか、本当に読みにくい。

西野:予測不可能な大統領の方が、クラフトさんみたいなお仕事の人には、質問が増えてよいのでは(笑)。

クラフト氏:いやさすがに、今は聞かれても、誰も正確には見通せないですよ。

 ただ、この3年間でアメリカの投資家から日本発の情報について確認されることが増えました。それだけ日米の政府が近いということでしょう。日本の方がトランプ大統領の意向をよく知っていると思われているようです。

山川:安倍総理とトランプ大統領は、電話会談やテタテ会談(通訳のみを交えた1対1の会談)よくしますからね。逆に言うと、トランプ大統領が再選する場合、次の日本の総理も大変ですね。

クラフト氏:安倍総理の4選話も浮上していますが、たとえ安倍さんが引いたとしても何らかの形で政権に加わって支えてほしいという声が出るんじゃないでしょうか。

西野:少なくとも次の総理もゴルフが上手な人でないと(笑)。

山川:ゴルフの腕前は安倍総理よりトランプ大統領の方が少し上だといいますね。ただ、本当にスコアを数えているのかどうか(笑)。

クラフト氏:トランプ氏のハンディキャップからすると、平均的に70台前半で回っていることになります。だとすれば、自身の年齢が73歳ですから、エージシュート(自身の年齢以下の打数でホールアウトすること)を実現していることになる。ちょっと考えにくい(笑)。

山川:おそらく、あのキャラクターですから、大ざっぱであまり正確には数えていないのでは。

クラフト氏:外務省の人に、安倍総理と回ったときの本当のスコアを聞いてみたら、「機密情報だ」といわれました(笑)。

西野:クラフトさん、ありがとうございました。

(注:この記事の一部は、BSテレ東「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の番組放送中のコメントなどを入れて、加筆修正しています)