春闘にも及ぶ悪影響

山川:春闘?確かにこのタイミングだと、賃上げ交渉に影響が出そうですね。

永濱氏:実は新型肺炎の問題が浮上する前から、今年の労働組合側の要求額は前年よりも低くなっていました。さらにこの問題が加わると、経営側は人件費を抑えようとします。

山川:「賃上げできない」という格好の材料に使われるかもしれませんね。

永濱氏:春闘が厳しければ、家計はますます苦しい。そもそも2020年は消費税率引き上げの影響が年間にわたって効いてきます。給与所得控除の見直しや10月のたばこ増税もあり、19年に比べて家計の負担は1兆6000億円増える見通しです。そこに新型肺炎の影響が追い打ちをかけるわけですから、厳しいと言わざるを得ない。

西野:決算発表を控えている企業も多いですから、業績見通しにも影響を与えかねませんね。

山川:いろんなところに、心理面でのマイナスの影響が出そうです。

 ところで、いつの間にか話題が2つ目の川柳のところまで入っていましたね。

西野:そうですね。では次の疑問です。

日本の 消費マインド 維持できる?

山川:SARSの時との比較で、もう1つ心配なのは、今回は増税を実施した直後でもあり、足元の景況感が怪しいということです。

 内閣府が発表している景気ウオッチャー調査(街角景気)を見てみましょう。

山川:19年10月が落ち込んだのは、増税の影響だけでなく、台風の影響もあるとみられていましたが、その後の戻りも弱い。

永濱氏:10月の増税は、14年に5%から8%に引き上げた時よりも、上げ幅が小さい。それに軽減税率や幼児教育無償化、ポイント還元など、様々な対策を実施しました。

 それでも足元の数字は前回よりも悪い。10月は台風の影響があったと言いますが、景気ウオッチャー調査は地域別にも数字が出ます。10月に台風の影響がそれほど無かった西日本でも、数字が悪化しました。やはり、かなりの部分は増税の影響だったと見るべきでしょう。

山川:それに今回は反動減対策も兼ねて、キャッシュレスのポイント還元を実施しています。その期限が6月末にやってきますから、もう一度、余波が来るかもしれません。心配なことが多いですね。

永濱氏:そうです。懸念材料が多い。その中で今年は少なくとも海外経済は改善に向かうと思っていましたが、そこに新型肺炎の問題が浮上したので、厳しい年になるかなと。

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