春までに 4つのトゲは 抜けますか?

佐藤さんは以前から、日中間には4つのトゲが刺さっていると指摘してきました。尖閣諸島周辺での領海侵入、日本人の拘束問題、日本産食品・飼料の輸入規制、香港・ウイグルなどの人権問題の4つです。

 習近平(シー・ジンピン)主席を国賓でお迎えするには、日中の間に刺さったこの4つのトゲを抜かなければならないと、繰り返し発言していますね。

[画像のクリックで拡大表示]

佐藤氏:そうです。今回は安倍首相の方から習主席を国賓として招きたいと申し入れた経緯があります。そんな中で、自民党の議員が異論を唱えるのは、本来であればなかなか難しい。しかし、誰かが言わないと駄目なんです。自民党内で何も言わずにすんなり来日してしまったら、解決できる問題も解決しない。

 とりわけ強調したいのは、尖閣諸島周辺の接続水域での航行や領海侵入です。これは日本の主権に関わるので、見過ごすわけにはいきません。昨年4月に安倍首相が招へいした後も、ものすごい勢いで中国の公船が尖閣周辺に入ってきている。これはどう考えてもおかしい。

山川:データを見てみましょう。

[画像のクリックで拡大表示]

佐藤氏:グラフを見ても分かる通り、2019年に急増しています。実は2018年に1つ大きな変化がありました。海警局という、日本でいえば海上保安庁のような組織が中国の軍の下に入った。現在の海警局のトップは海軍少将で、軍と一体化してきています。

 軍の組織が日本の領海に入るということは、従来とは意味が違ってくる。実際に中国が入るときは態勢を取りますから、日本側も態勢を取らなければならない。艦船の間合いも以前より狭まっています。

山川:2020年に入っても、ほぼ毎日入ってきていますね。

佐藤氏:そうです。だから河野太郎防衛大臣は2020年1月14日に米ワシントンで講演し、「中国が状況を改善する努力をしなければ、4月に予定している習主席の国賓としての日本訪問に支障を来す可能性がある」と、言ったのです。

[画像のクリックで拡大表示]

 大臣の部下である自衛官が、まさにこの瞬間も尖閣で中国側と対峙している。しかも国賓となると、皇居での儀仗(ぎじょう)がある。陸上自衛隊第302保安警務中隊によって編成される儀仗隊が、警護のために付けられる。国賓は天皇陛下のお客様なのです。