西野:ところで、緊張が高まっている中東地域に海上自衛隊が派遣されるわけですが、そこはどう見るべきですか?

黒井氏:海上自衛隊を出すというので問題になっていますが、今回の決定だと、本当に緊張した地域には立ち入りません。ソマリアの海賊対策で自衛隊は既に行っているわけですが、その範囲をオマーン湾の辺りにまで広げるということです。

 今回、問題になっているのはペルシャ湾内とホルムズ海峡の近辺。ここには入りません。なぜなら2つ理由があって、1つはイランから何か言われる。日本政府はイランとはもめたくない。もう1つは本当にトラブルになった場合、政治問題化する。だから、立ち入りたくない。

 オマーン湾に行くと言わずに、ソマリア辺りの海域まで活動範囲に含めたのは、あまりオマーン湾にも近づかないつもりなのかもしれません。

山川:実質的には守れる体制になっていないのに、護衛艦と哨戒機を送る。どういう意図があるのでしょう。

黒井氏:ペルシャ湾内には日本の会社が運営する船がいるのに、それを守らないのかという話が出てくる。アメリカの有志連合に加わらないまでも、一応、自前で派遣して防衛の形をとる。それで何かあったときにはアメリカに「よろしくお願いします」ということになる。アリバイ作りに近いと思います。

西野:それにしても今年のお正月は、中東地域への関心が高まりましたね。ゴーン被告の逃亡先もレバノンでした。

黒井氏:レバノンのヒズボラはソレイマニ氏の弔い合戦をやると宣言しています。イスラエルに何かを撃ち込む可能性はあります。そうなると、イスラエルが必ずレバノンに報復する。レバノンの人たちは気が気ではない状況ですよ。

山川:ゴーン被告も大変な地域に逃げ込みましたね。

西野:黒井さん、ありがとうございました。

(注:この記事の一部は、BSテレ東「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の番組放送中のコメントなどを入れて、加筆修正しています)

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