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テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第24回のテーマは、ソレイマニ司令官殺害「米イラン、対立の行方は?」。トランプ米大統領が決断したイラン革命防衛隊の幹部殺害。イラン国内で英雄視されている人物は中東に散らばるイスラム教シーア派の民兵組織を統率する黒幕でもあった。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「米イランともに全面的な戦争は望んでいない」としつつも、施設の攻撃やテロの懸念は拭えないと指摘。シーア派の勢力が強い中東の「三日月地帯」では米軍が撤退する流れにある。代わりにイランの武装集団の影響力が強まっており、「今後は人権侵害を伴った殺りくが増えるのでは」と懸念する。

西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):今年最初の収録です。年明け早々、大きな出来事が相次いでいますね。

山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):中東情勢に加えて、カルロス・ゴーン被告の逃亡、台湾総統選挙など、何かと騒がしいですね。

西野:このコーナーは、BSテレ東で毎週土曜日朝9時から放送している「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の中でお伝えし切れなかった内容を、改めてインターネットの記事や動画でお届けしようというものです。今回のテーマはこちら。

ソレイマニ司令官殺害「米イラン、対立の行方は?」

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんに伺います。よろしくお願いします。

黒井文太郎氏(軍事ジャーナリスト、以下、黒井氏):よろしくお願いします。

黒井文太郎(くろい・ぶんたろう)
1963年福島県生まれ。横浜市立大学卒業後、講談社入社。週刊誌編集者として勤務後、フリーとなり、ニューヨーク、モスクワ、カイロなどを拠点に国際紛争を中心に取材。帰国後、月刊「軍事研究」記者、「ワールド・インテリジェンス」編集長などを経て軍事ジャーナリスト。著書に『イスラム国「世界同時テロ」』(KKベストセラーズ)、『ビンラディン抹殺指令』(洋泉社)など。

山川:トランプ大統領は就任以来、中東でいくつかの「パンドラの箱」を開けました。イスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移転したこと、イランとの核合意から一方的に離脱したことなどがそうです。ただ、今回の衝撃もそれに匹敵するほど大きい。

 アメリカは、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」を率いるソレイマニ司令官をイラクで殺害しました。ソレイマニ氏は中東に散らばるイスラム教シーア派の民兵組織を統率し、イラン国内ではカリスマ的な人気を誇る人物です。

西野:現時点では、アメリカもイランも全面戦争はしたくないのが本音で、軍事衝突のリスクはひとまず収まったといわれています。ただ、本当に危機は去ったと安心してよいのでしょうか。最初の疑問はこちらです。