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「オレと同じように会社に尽くせ」は通用しない

白河:今、多くの職場で起こっているのは、上司と部下の間のコミュニケーション改革と、それに対するアレルギー反応です。

 「部下一人ひとりと丁寧にコミュニケーションをするのだ」と、週1回、30分間の1on1ミーティング(上司と部下での1対1の面談)を導入するのもいいでしょう。

 けれど、「急に部下と話せと言われても、何を話していいか分からない」と戸惑う管理職が続出しています。それはもう当然でしょうね。彼らはそれまで、そんな教育を受けてきていないのですから。相応のトレーニングを積んでいないのに、突然、部下と1on1ミーティングをしましょうと言われても、簡単にはできません。

 これからの管理職には、部下の話を聞き取るためのスキルとして、コーチングやフィードバックの手法を学ぶ機会を提供していくべきでしょうね。

「オレはこんなに頑張ってきたし、組織に尽くしてきた。だからお前たちも同じように頑張れ、尽くせ」ではこれから通じないということですね。

白河:これからは、多様なメンバーをまとめる「ダイバーシティ・マネジャー」の役割が管理職に求められる時代です。そんな中で、「自分のコピーを育成するマネジメント」は通用しません。その姿勢はそのまま、押し付けや強制に結びつき、パワハラを生んでしまいます。

 大前提として、会社で働く人の構成が20年前、30年前とは全く変わってきたということを、よく理解しなければいけないと思います。

 長時間労働を問題なくこなせる男性社員ばかりだった時代には、自分の時間をほぼすべて、会社に捧げるような、仕事最適型スタイルを基本形として、会社は回ってきました。

 そこに女性というステークホルダーが入ってきたことで、長時間労働を強いることが難しくなってきた。さらに若い世代で共働きが多数派になってくると、女性に限らず男性もワークライフバランスを要求する。

 「最近の部下は使いづらいなぁ」なんて愚痴っていると、今度は自分自身に、親の介護が降りかかってきます。