飛信隊に通じるアライアンスの組み方

そのソラコムの中で玉川さんが大切にしている文化は何ですか。

玉川:うちは創業前から「ソラコムのリーダーシップ」というものを策定しています。ソラコムのメンバー全員がリーダーであり、周囲からフィードバックを受けられるようになるための軸となる15の考え方、といったものです。ただテクノロジーを活用してイノベーションを起こす少数精鋭チームを目指しているので、少し変わった文化なんです。

 この根底には、一人ひとりの個性を重視し、それぞれのメンバーが自律的に動いた結果として、チームワークになるという考え方があります。その姿勢は、飛信隊に近いのではないでしょうか。

 またアライアンスに対する考え方も飛信隊に似ていると感じることがあります。秦の国王・嬴政(えいせい)や主人公の信は、組むべき仲間とは手を結び、ムダに対立しませんよね。例えば山岳地帯を治める山の民たちとも、一定の信頼関係を構築しています。

 まさにあの世界観はソラコムも同じです。うちのサービスを利用してくれるお客さんは、もう1万5000を超えました。大企業からスタートアップまで、会社の規模も業種も幅広い上に、パートナープログラムを用意して、登録していただくとソラコムのサービスを使って事業を展開する企業をサポートしています。これにも500社以上登録いただいている。

 ソラコムにとってお客さんは、時にパートナーにもなるし、時にライバルにもなります。ただ、同じIoTプラットフォームを提供するようなサービスを展開していても、よくよく議論を重ねてみると手を組める部分もある。

 『キングダム』の世界でも、主人公たちのいる秦と周辺6カ国は、状況次第で同盟を結んだりしています。また秦の国内政治だけを見ても、勢力争いをしていた相手が突如、味方になったりもします。どういった視点でモノを見るかによって、敵に思えた相手が味方にもなり得るわけです。こういったアライアンスの妙味は、『キングダム』からも学びましたね。

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