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知恵のある奴は夢のある奴に使われる

麻野:リンクアンドモチベーションは、2018年に日本最大級の社員クチコミサイト「OpenWork(旧Vorkers)」を運営するオープンワーク(旧ヴォーカーズ)に出資して、持分法適用会社としました。これは外から見れば、単なる出資にしか映らないかもしれません。けれどその根底には、ある思いがありました。

 もし昨年、この提携が実現していなかったら、従業員が企業を評価する仕組みを展開している当社と、社員のリアルなクチコミが投稿されているオープンワークは、敵同士になっていたかもしれません。それぞれが自社のスコアの信頼性の高さを訴求するために、戦う必要に迫られていたはずです。

 けれど、僕たちが目指しているビジョンは「働きがいのある社会をつくる」ことにある。であれば、協力し合った方が、はるかに価値がある。一見すると、対立しているように見えるA社とB社でも、共通して掲げられるビジョンを持つことができれば、敵対する必要はなくなるはずです。

 ではどのようなビジョンを掲げるのか。それこそがリーダーの仕事です。

 ネットワーク化が発展し、これから先は急速に、いろんなものが有機的に連携する社会になっていきます。このときに、どれだけの人を、仲間に迎え入れられるか。そのためにはビジョンの力がとても大事になってきます。

 そして、『キングダム』では嬴政がビジョンの重要性を教えてくれている。

 『キングダム』ではありませんが、僕の好きな言葉に次のようなものがあります。

 「力のある奴は金のある奴に使われる。金のある奴は知恵のある奴に使われる。知恵のある奴は夢のある奴に使われる」

 結局、どれだけ大きな夢を抱くか。それが何よりも大事な時代になっているんだと思います。

ありがとうございました。インタビューの後編では、麻野さんご本人が感情移入する人物について、その理由なども踏まえてうかがいたいと思います。