ヒエラルキー型組織に必須の愛と信頼

仲山:あとチームビルディング的に共有しておきたい視点があります。

 「ヒエラルキー型の組織は愛情と信頼で機能し、ネットワーク型の組織は規律と秩序で機能する」ということです。意外に聞こえるかもしれないですけど。

意外です。ヒエラルキー型の組織の方が規律と秩序、ネットワーク型の組織の方が愛情と信頼で成立しているように思えます。

仲山:そもそもヒエラルキー型の組織とは、こなすべき仕事が多いから、みんなで役割分担して効率を上げるための組織形態です。

 分業化された組織で働く人は、目の前の作業にどんな意味があるのか分かりません。仕事が分断されていますから、全体像も把握できない。ですからあまり、やりがいが感じられないんです。

 作業が面白くないのに意欲的に働きたくなるとしたら、上に立つ人の愛情と信頼に応えたい、と思える場合です。つまり、組織が効率目的でデザインされているので、単に粛々と回していると心がギスギスしてくる。そこで潤滑油になるのが愛情と信頼、ということです。

 パナソニック創業者の松下幸之助さんをはじめ、大きな組織を機能させたリーダーはみなさん、愛情と信頼が大事だと言っていますよね。

 逆にネットワーク型の組織は、自律分散型で、臨機応変に動けるのが強みですが、単なる仲良しグループになってしまいがちです。指示命令のない組織がグダグダにならず機能するには、規律や秩序、つまり「自分たちのパフォーマンスを上げるための約束事」が大事になるんです。

 そんな側面も理解して『キングダム』を読むと、さらに深みが増すはずです。

ありがとうございました。インタビューの後編では、仲山さんが『キングダム』で感情移入するシーンがどこなのか。自身の楽天での経験と重ね合わせながら、そのエピソードについてうかがいたいと思います。

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